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「後ろに〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

後ろにの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
親ごころ」より 著者:秋田滋
って来た。一人は年をとっているが、もう一人のほうは若い。どうやら母娘らしい。その後ろについて、その女の連れらしい一人の男が彼の前を通った。教会から出て来ると、彼....
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
は少年を残したまま、さっさと向うへ行ってしまう。少年は遠い雷門《かみなりもん》を後ろにぼんやり一人佇んでいる。 9 もう一度父親らしい....
おしの」より 著者:芥川竜之介
なりました。御覧なさい。あのおん姿を?」 神父は厳《おごそ》かに手を伸べると、後ろにある窓の硝子画《ガラスえ》を指《さ》した。ちょうど薄日に照らされた窓は堂内....
河童」より 著者:芥川竜之介
――僕が河童《かっぱ》というものを見たのは実にこの時がはじめてだったのです。僕の後ろにある岩の上には画《え》にあるとおりの河童が一匹、片手は白樺《しらかば》の幹....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
とした体格の女が一人、大きな桶《おけ》を伏せた上に、踊り狂っているのを見た。桶の後ろには小山のように、これもまた逞《たくま》しい男が一人、根こぎにしたらしい榊《....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
である。 三 彼が「性に合わない」という語《ことば》に力を入れた後ろには、こういう軽蔑が潜んでいた。が、不幸にして近江屋平吉には、全然そういう意....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
に半開きの扇をかざしていた。……… 「おい、君。」 僕は驚いてふり返った。僕の後ろにはいつの間にか鼠色《ねずみいろ》の大掛児《タアクアル》を着た支那人が一人、....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
悉達多は車匿《しゃのく》に馬轡《ばひ》を執《と》らせ、潜《ひそ》かに王城を後ろにした。が、彼の思弁癖は屡《しばしば》彼をメランコリアに沈ましめたと云うこと....
少年」より 著者:芥川竜之介
しかし今は幻燈に――幻燈を映して見せる主人にあらゆる感情を忘れている。いや、彼の後ろに立った父の存在さえ忘れている。 「ランプを入れて頂きますと、あちらへああ月....
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
さ》の間《あいだ》にK君の「新時代」を発見した。それは砂止めの笹垣《ささがき》を後ろに海を眺めている男女だった。尤《もっと》も薄いインバネスに中折帽をかぶった男....
葬儀記」より 著者:芥川竜之介
着た人と話していた。が、そこと書斎との堺《さかい》には、さっきまで柩《ひつぎ》の後ろに立ててあった、白い屏風《びょうぶ》が立っている。どうしたのかと思って、書斎....
早春」より 著者:芥川竜之介
人雑誌の新年号の口絵に偶然三重子を発見した。三重子はその写真の中に大きいピアノを後ろにしながら、男女三人の子供と一しょにいずれも幸福そうに頬笑《ほほえ》んでいる....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
とがり矢は、中には物々しい鏑《かぶら》の音さえ交えて、またひとしきり飛んで来る。後ろに下がっていた沙金《しゃきん》でさえ、ついには黒い水干《すいかん》の袖《そで....
樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
うじゅ》が、青い杓子《しゃくし》をべたべたのばしながら、もの静かな庫裡《くり》を後ろにして、夏目先生の「草枕《くさまくら》」の一節を思い出させたのは、今でも歴々....
追憶」より 著者:芥川竜之介
ひき落とされる画面を覚えている。その男はなんでも麦藁帽をかぶり、風立った柳や芦を後ろに長い釣竿を手にしていた。僕は不思議にその男の顔がネルソンに近かったような気....