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「後列〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

後列の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
人抜け出してチャールストンを踊っている主役の踊子だと、思ったかも知れぬ。が、実は後列の隅の方で沢山の踊子にまじって細い足を無気力にあげている胸の薄い少女が、東銀....
行人」より 著者:夏目漱石
だ疎《まば》らに占領されているだけであった。自分はなるべく人の眼に着かないように後列の一脚に腰を下《おろ》した。 十八 自分は心のうちで三....
自叙伝」より 著者:大杉栄
やった。そしてこの二つの遊びでは、班長が組を分けるのに困ってしまった。最初前列と後列とに分けた。すると幾度やっても僕のいる前列が勝った。で、こんどは、僕一人だけ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
きい口をあいて呼んだ。雁の行は正しいものであるが、時にはその声々に誘われたように後列の雁が翼を振って前列を追いぬけることがある。あるいは野に伏兵ありとでも思うの....
李陵」より 著者:中島敦
に出、戟《ほこ》と盾《たて》とを持った者が前列に、弓弩《きゅうど》を手にした者が後列にと配置されているのである。この谷を挾《はさ》んだ二つの山はまだ暁暗《ぎょう....
シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
がった。それを見澄ますと、隊長はすぐに乗馬を躍らせて次に跳びかかった。 高村が後列の苦力を、拳銃で輜重車の上に追いあげていた。その脚元には、傷ついた苦力が二人....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
見にやってごらん」 「北条氏北条氏」呼ぶ声に連れて、北条という若い武士が、すぐに後列から走って来た。 「は、何事でございますかな?」二十五、六の武士である。 「....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
水戦隊がつづき、その次に前後左右を軽巡洋戦隊にとりまかれて飛行島の巨体が進み、最後列には特務艦や病院船、給油船が臆病らしく固まり、殿には巡洋艦を旗艦とする別の駆....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
「うまいぞ」 「見たものは弁当をだせ」 人々はだまって顔を見合った、そうして後列の方からそろそろと逃げかけた。 「おい、こらッ」 いまにぎり飯を食いながら....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
、それに一様に黒い毛皮の襟巻をして、つばの広い黒い帽子をかぶっていた。せいの高い後列の女優たちは、絹高帽に鞭のような細身の洋杖を持っていた。前が「女」、うしろが....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
り込んで、最もひどく官学風になるからであった。そのうえ、ある軍隊の前衛にいようが後列にいようが、作者はその軍隊の捕虜《ほりょ》であり、その軍隊の思想の捕虜であっ....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
怒り狂った大音声がきこえ、しまッた、と思った時には、彼は力いっぱい肩を蹴られて、後列の人々の間にころがっていた。 正宗菊松は大失敗を犯したのである。彼はそれを....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
ただそのような怖れの生じる理由が実在したかということが問題だ。辰男も糸子も同様後列であるから糸子についで、往復に危険の少い位置である。とにかく後列は前列よりも....
薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
きな口をあいて呼んだ。雁の行は正しいものであるが、時にはその声々に誘われたように後列の雁が翼を振って前列を追いぬけることがある。あるいは野に伏兵ありとでも思うの....
四つの都」より 著者:織田作之助
わざ/\有難うございました」 頭を下げる。 初枝「あら、いゝえ」 前進している最後列の生徒、何気なく振り向く。 二六 矢野名曲堂。 庄平が葉子と話している。 庄....