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後天的
「後天的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後天的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「弟子」より 著者:中島敦
完成はその先天的な素質の非凡《ひぼん》さに依《よ》るものだといい、宰予は、いや、
後天的な自己完成への努力の方が与《あずか》って大きいのだと言う。宰予によれば、孔....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
、こうした翁の強気と弱気の裏表のどちらが翁の真骨頂か。どちらが先天的で、どちらが
後天的のものか、ちょっと看別出来ないようである。 しかし只圓翁の性格の表裏が徹....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
者が見つかってそれからはずっとその人にやっかいになって来たが、先天的の悪い素質と
後天的不養生との総決算で次第にかんで食えるものの範囲が狭くなって来た。柔らかい牛....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
です。賢愚と、不肖と、性格と、体格には、遺伝があり得るけれども、怪我というものは
後天的なものだから、兄貴が負傷して跛足になったからとて、弟まで怪我をして跛足にな....
「蜘蛛」より 著者:豊島与志雄
ならば、大地の中に根を張ってつっ立ってる力とでも云うような、何かしら人為的でない
後天的でない本質的な力である。トルストイやバルザックやセークスピアの偉大さは、そ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
にとっては、この無為閑散ということが非常に重苦しくなるものである。先天的あるいは
後天的なあらゆる習慣は、職業柄のあらゆる習慣は、オイレル老人にある小心さと悲しみ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とにすぐ同化した。そのうえ、よく物に同感し、怜悧《れいり》であって、生来の趣味と
後天的趣味と虚栄心とから、何物にも興味をもった。そしてかなり正直だった、自分の利....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
表われたる地上の生活に限らるる見地においてであって、人間以外の生物の先天的および
後天的性格に関する深い問題を考えてのことではない。目に見える自己のために内部の自....
「土地に還る」より 著者:豊島与志雄
んでした。然し、彼女のようにそのことだけに安んずることは出来ませんでした。それが
後天的なものであるならば、それをプラスとなすだけの心境があらねばなりませんでした....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
にすれども、江戸っ児たる風采と江戸っ児たる気質とは略一途に出ずるものの如し。就中
後天的にも江戸っ児の称を曠うせざるものを我久保田万太郎君と為す。少くとも「のて」....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
われます。僕は、声の問題を、民族的な体質及び気質に結びつけました。体質も気質も、
後天的要素が加わることによって、一定の方向へ伸ばし得るものだということは、既に他....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
大部分何等かの意味でその素質を先天的に持っているか、又は怪我とか悪疾とかによって
後天的に持たせられた者であるという事である。彼女の家系には精神病の人は居なかった....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
し致しましょう。いかにもあなたの推定されたとおり、生れつきに出来た痣ではなくて、
後天的に、いわば人工的に作られたものです。これはある男の暴力によって作られたもの....
「役者の顔」より 著者:木村荘八
らぬ相貌となっています。これは半ば天性もあるのでしょうが、「奇形」変貌の大半は、
後天的操作に依るところと思います。 古い俳優――古名優――では、私は親しくは源....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
仕えのつとめとしての笑いでもあったようだ。『枕草紙』はそうした任務にあったために
後天的にも一層そうした心の角度でものを捕えるようになった一女性の印象記であるとも....