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後棒
「後棒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後棒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
ある。 ○演技指導における俳優と演出者の関係は、ちょうど一つの駕籠をかつぐ先棒と
後棒の関係に似ている。先棒の姿は
後棒に見えるが、先棒自身には見えない。 ○演出者....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
うに聞えましたが――」
「へえ、何だか、そう申したようでございましたね」
と、
後棒が答えて、蔑《さげす》むような口調になって、
「なあに、あなた、この辺の見廻....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
栃の木の大木でゃ。皆|五抱え、七抱えじゃ。」「森々としたもんでがんしょうが。」と
後棒が言を添える。「いかな日にも、はあ、真夏の炎天にも、この森で一度雨の降らぬ事....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
走卒に囲まれながら、しきりに身ぶり声色を試みている体《てい》たらくを発見するや、
後棒と先棒との見合わせる目から火花が散って、 「合点《がってん》だ」 駕籠をそ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
抜らしい真黒な大釜を、蓋なしに担いだ、牛頭、馬頭の青鬼、赤鬼。青鬼が前へ、赤鬼が
後棒で、可恐しい面を被った。縫いぐるみに相違ないが、あたりが暗くなるまで真に迫っ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
そうではないにしても、あまり気味のよいお客様じゃアないから、先棒《さきぼう》と
後棒《あとぼう》は、ちらと眼で、用心の合図をかわしつつ、
「本郷はどちらまでで?....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
の筈道が違いますので、駕籠は五六間先へ下すや否や、待伏して居りました一人の盗賊が
後棒を担ぎまして、 舁「えゝ御新造さま、旦那様は泥坊を捕えると云って後に残って....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ゲンになっている。五兵衛を見ると、 「ヨ。きた。きた。お前、先棒をかつげ。オレは
後棒だ。野郎を乗っけちゃいけないぜ。美人、美人。ナ。野郎をのッけると、放りだすか....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
と囁き合った。 「おい姐さん、用があるんだ、ちょっくら駕籠から出ておくんなせえ」
後棒の方がこういった。 「あい」と可愛らしい声がした。「もう着いたのでございます....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
先棒担ぎはきっと反る。反って中心を取ろうとする。自然かがとへ力がはいる。しかるに
後棒はこれと反対に、前へ前へと身を屈める。そうやって先棒を押しやろうとする、だか....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
へ追いつくと
「兄弟、頼むっ」
と、棒鼻が叫んだ。
「おおっ――手を握ったか」
後棒が、振向いた。
「その辺――」
お互に、仲間の符牒《ふちょう》で、話し合っ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
くださるとよ……早乗りだ」 「おう、合ッ点だ」 一人が綱を曳き、三人の肩代り。
後棒へまた二人取りついて、 「アリャアリャ」 一団の黒雲になって飛ばして行く。....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
。 さればらくだと思いて拾いたる願人《がんにん》坊主が、やがて、かつがれながら
後棒のらくだの兄弟分と何やら話すを聞きとがめ、先棒の紙屑屋、振り返りて、 『喧嘩....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
、そのまま駕籠を上げて安部川町の方へ辻待に出向いて行った。空駕籠の揺れぐあいから
後棒の辰はもちろん、先棒の男もまだ腰ができていないのを、三次は背後《うしろ》から....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
りの握飯を把出して、「これを与るから手伝って担いで呉れ。」と手真似で示すと、※は
後棒となって、幾本の重い材木を無事に麓まで担ぎ下したのである。 これが一種の縁....