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後送
「後送〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後送の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一兵卒」より 著者:田山花袋
ならぬ。かれは今始めて、病院を退院したことの愚をひしと胸に思い当たった。病院から
後送されるようにすればよかった……と思った。 もうだめだ、万事休す、遁れるに路....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
――という事です。その証拠には、外科手術の比較的幼稚だった南亜戦争当時でさえも、
後送距離の短い場合は、そのほとんど全部が快癒しているのですからね。そうそう、その....
「縮図」より 著者:徳田秋声
ら二年もいる気でね。……戦争はどうだった?」 「戦争ですか。何しろ行くと間もなく
後送ですから、あまり口幅ったいことは言えませんが、何か気残りがしてなりません。病....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
さんの妻|八千代さんとは建の遺子である。矢島|優善は弘前に留まっていて、戦地から
後送せられて来る負傷者を治療した。 渋江氏の若党の一人中条勝次郎は、弘前に来て....
「戦場」より 著者:夢野久作
らわすところの最高度のノンセンスのオルケストラ……。 そのオルケストラの中から
後送されて来る演奏済みの楽譜……死傷者の夥しさ。まだ日の暮れない中に半分、もしく....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
なった。気がついて見たら『しっかりせい、しつかりせい』と、独りの兵が僕をかかえて
後送してくれとった。水が飲みたいんで水瓶の水を取ろうとして、出血の甚しかったんを....
「キュリー夫人」より 著者:宮本百合子
を好転させた歴史的な戦いであるマルヌの戦闘で、故国のために傷ついた人々は、パリへ
後送されてその移動班に助けられたのであった。この放射光線車は軍隊の間で「小キュリ....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
ったのでは、「火の玉」少尉は再び飛行機を操縦することができない。そこで第一線から
後送ということになったが、「火の玉」少尉は誰がなんといってもきかない。そして頑張....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
は分ったか。もしそれが見つからねば、ハムレットを入れてくれ。ノチア・レブオはその
後送って来るか。もし来ているなら、もう大ぶたまったと思う。それに日本エスペラント....
「氷河」より 著者:黒島伝治
。負傷した同年兵たちの傷口は、彼が見るたびによくなっていた。まもなく、病院列車で
後送になり、内地へ帰ってしまうだろう。――病院の下の木造家屋の中から、休職大佐の....
「精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
できるし、窓ガラスを割ることもできる。 僕のいた部屋は、A級戦犯のO氏が発病直
後送られた部屋で、発病直後は兇暴でこのガラス部屋は不向きであったから、松沢へ送ら....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
んという家の息子さんが一年志願兵の少尉で出征しまして、負傷のために満洲の戦地から
後送されて、ここの温泉で療養中でありましたので、わたくしの家からも誰か一度お見舞....
「停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
で、奉天の戦いで負傷して、しばらく野戦病院にはいっていたのですが、それから内地へ
後送されて、やはりしばらく入院していましたが、それでも負傷はすっかり癒って二月の....