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「後釜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

後釜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
そうにその新仏が幼馴染のお敏へ宛てた、一封の書置きがあったのを幸、早くもあの婆は後釜にお敏を据えようと思ったのでしょう。まんまとそれを種に暇を貰わせて、今の住居....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
用人や給人はすべて譜代《ふだい》である。渡り奉公の中小姓などが並大抵のことでその後釜に据われる訳のものではない。林之助も無論それを知らない筈はなかったが、この場....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
に柳吉の父親に向って呟く気持を持った。自身にも言い聴かせて「私は何も前の奥さんの後釜《あとがま》に坐るつもりやあらへん、維康を一人前の男に出世させたら本望《ほん....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
」をはじめた。 彼女は大津の料理屋で仲居をしていたが、一昨年社長の先妻が死んだ後釜にはいった。むろん浮いた仲ではない。仲人の口利きで、ちゃんとした見合結婚だっ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
敷の馬丁と出来合っていたのですが、その馬丁の平吉が挙げられると、すぐに国蔵という後釜《あとがま》をこしらえる。そのほかに写真屋の島田と関係する。外国人のハリソン....
深夜の市長」より 著者:海野十三
」 「えッ、動坂三郎……」僕は少からず驚いた。動坂三郎といえば、いまは市会議長の後釜に擬せられている人物で、その実力は測るべからざるものとされている。ただ商売が....
振動魔」より 著者:海野十三
、それから後は無論のこと職業意識をもって説教をし、燃えるような野心をもって上役の後釜を覘み、妙齢の婦女子の懺悔を聴き病気見舞と称する慰撫をこころみて、心中ひそか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
次郎の巧みを知らなかったのでしょう。そこで内からは女房のお大が糸を引いて、清七の後釜に幾次郎を据える段取りになったのですが、主人も直ぐには承知しない。ふだんから....
東京要塞」より 著者:海野十三
かったのである。 身代りの探偵 左官正太を名乗る帆村探偵は、巧みに吉治の後釜に入りこんだ。 その翌朝は、親方五郎造から注意されたとおり、午前六時すこし....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
だきしめていた。 村のある金持、もう相当な年配の男だそうだが、女房が死んでその後釜にこの女の先生を貰いたいという。これを分校の主任にたのんだものだ。何百円とか....
梟雄」より 著者:坂口安吾
それは甚だ有りがたい。実は妙椿に二人の子供がおって、これが仲わるく各々派をなして後釜を狙っている。妙椿が死ねばお家騒動が起って血で血を洗い、斎藤の勢力は一時に弱....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
係を知っている者があって、中田屋の大将が死んでは師匠も困るだろう、お前さんがその後釜を引受けてはどうだなどと、冗談まじりに話していたのが、ふと町方の耳にはいった....
親ごころ」より 著者:秋田滋
まった。そこで小教区の司祭は、車大工の不幸な身の上を知っていたので、この男をその後釜に据えた。 そこで彼は、朝になると、来る日も来る日も、いままで老人の坐って....
」より 著者:織田作之助
良いのに任せて松島や芝居裏の遊廓を遊びまわり、深馴染みの妓も出来て、死んだ女房の後釜に、女郎を身請けするだろうと噂されていた。そんな事をされたら、うちの娘たちの....
春泥」より 著者:久保田万太郎
金の半分は、手つかずいつも菱川の手へもって行かれた。――吾妻がいなくなってからの後釜には三浦がすわった。――で、楽屋では、その理由を以て菱川を「チョコ銀」と呼ん....