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徒爾
「徒爾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
徒爾の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
は自分の身躯や心が自分を裏切《うらぎ》る曲者《くせもの》のように云います。それが
徒爾《いたずら》半分の出放題《でほうだい》でない事は、今日《きょう》までいっしょ....
「運命」より 著者:幸田露伴
を別失八里に仮りて兵を率いて東するを聞き、甘粛総兵官宋晟に勅して※の出づるある、
徒爾ならんや。建文の草庵の夢、永楽の金殿の夢、其のいずれか安くして、いずれか安か....
「清貧の書」より 著者:林芙美子
。留守はうまくやって行けそうか。知らせるがいい」こんな事が書いてあった。 私は
徒爾《いたずら》な時間をつぶすために、与一の絵葉書や手紙を、何度となく読んでまぎ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
双の士 歌舞城中第一流 警柝声は※の月 残燈影は冷やかなり峭楼の秋 十年剣を磨す
徒爾に非ず 血家血髑髏を貫き得たり 犬飼現八 弓を杖ついて胎内竇の中を....
「数学史の研究に就きて」より 著者:三上義夫
こともなし得ないで居るけれども、これを邦文に翻訳してわが学界に伝えることも決して
徒爾ではあるまい。 翻ってわが国内の事情を見るに、明治三十九年に故菊池大麓博士....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
日を招き還しぬと聞きたれど、何人も死者を泉下より呼起すべき術を知らぬ限は、われも
徒爾に帰らぬ人を慕うの女々しく愚痴なるを知る、知って猶慕うは自然の情なり。されど....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
だか斯う……。」 山育ちの彼は、之を形容すべき適当の詞を知らなかった。重太郎は
徒爾に眼を瞠り、手を拡げて、其の尊き宝であるべきことを頻に説明|為ようと試みた。....