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徒食
「徒食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
徒食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「I can speak」より 著者:太宰治
仕合せも、陋巷の内に、見つけし、となむ。 わが歌、声を失い、しばらく東京で無為
徒食して、そのうちに、何か、歌でなく、謂わば「生活のつぶやき」とでもいったような....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
弱点があった。友人の紹介で得た飜訳の仕事も、気乗りがしなくて放り出していた。然し
徒食しているのではなかった。その頃私は未来の文明批評家を以て自ら任じ、種々の研究....
「「紋章」の「私」」より 著者:豊島与志雄
山下久内がいる。そして茲では、貧窮と迫害のうちにも戦い続けていく雁金の生活相や、
徒食している微温的な久内の生活相や、敦子や初子の生活意識など、そんなものよりもむ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ォアはナポレオン旗下の将軍にして後に自由党の雄弁家)
すべて皆君をながめぬ。
徒食のわれが
プラドーへ君を食事に伴いし時、
薔薇《ばら》の花さえ君が妙《たえ》....
「雨」より 著者:織田作之助
月も寝ていなかった。絶えず何かの義務を自分に課していなければ気のすまぬ彼は、無為
徒食の臥床生活がたまらなく情けなかった。母親の愛情だけで支えられて生きているのは....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
でやってのけた。時折やって来る井野老人を相手に、碁などうっている彼の様子は、無為
徒食の一帰還者にすぎなかった。 波多野洋介に対して、魚住千枝子は困った立場にい....
「光は影を」より 著者:岸田国士
しはしたが、事実、ぶらぶらしていて、しかも腹はすかぬ今の立場であつてみれば、無為
徒食を共にするというのは、とりもなおさず、黙つて飯を食わしてくれる家というものが....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
ようと一生懸命コクワ取る 売ったお金がどうも溜らぬ 生産的仕事が俺にあって欲しい
徒食するのは恥しいから 葉書さえ買う金なく本意ならず 御無沙汰をする俺の貧しさ ....
「泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
私は、昭和のはじめ、世の中が一番不景気の時代に失職してしまった。失職当時は幾分の余裕はあったのであるけれど、食を求めて
徒食している間に、持ち金悉くをつかい果たしてしまったのである。 多くの家族を抱....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
自食の説を主張して、いまだ真の学問を勧めざりし所以なり。ゆえにこの説は、あまねく
徒食の輩に告ぐるものにて、学者に諭《さと》すべき言にあらず。 しかるに聞く、近....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
草は日に八十本、病院もやめてしまい、毎日ぶらぶらして、水すましのように空虚な無為
徒食の生活をはじめた――と道子はスカートの端をひっぱりながら言った。 「どうして....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
て職とすることなるに、「とく」に限りてこの業に従事せしむることあたわざるときは、
徒食せしむるよりほかなきをもって、養家にありても最初のうちは実家に返すことを拒み....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
る大工《だいく》石工《せきこう》人夫《にんぷ》ら二十余名が手を空《むな》しくして
徒食せるにもかかわらず、予約の賃金は払わざるべからず、しかもその風雨は何時《いつ....
「雨」より 著者:織田作之助
ていなかった。絶えず自分の存在を何ものかで支えて居らねば気の済まない彼には、無為
徒食の臥床生活がたまらなく情無かった。母親の愛情にのみ支えられて生きているのは、....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
んだこと、唱門師と同様であった。おそらく奈良においても、この被収容者をいつまでも
徒食せしめることはなかったに相違ない。しからばその末流が、また唱門師の徒となった....