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「従姉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

従姉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
股に玄関へ歩いて行った。 ある山《やま》の手《て》の従兄の家には僕の血を分けた従姉《いとこ》が一人僕を待ち暮らしているはずだった。僕はごみごみした町の中をやっ....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
、また何処へも行かないでも可《い》い。このまま、今度の帰省中|転《ころ》がってる従姉《いとこ》の家《うち》へ帰っても可《い》いが、其処《そこ》は今しがた出て来た....
追憶」より 著者:芥川竜之介
はない。僕はあいにく今日ではそれらの渾名を忘れている。が、今から四、五年前、僕の従姉の子供が一人、僕の家へ遊びに来た時、ある中学の先生のことを「マッポンがどうし....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
無造作に答えたものの、奥の底にはなつかしい心持ちがないではない。お光さんは予には従姉に当たる人の娘である。 翌日は姉夫婦と予らと五人つれ立って父の墓参をした。....
人間灰」より 著者:海野十三
います。別に特徴もありませんが、この右足湖を東に渡った湖口に親類があって、そこの従姉が死んだということでした」 「君は夜中に夫人の失踪に気付きながら、なぜ人を呼....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
い。ただ明るい立派な青年で、大学のスキー部に籍を置いていて、毎年冬になると雪国の従姉のところへやって来ることだけは知っていた。全くH市の郊外では、もう十二月にも....
古狢」より 著者:泉鏡花
の帰省者であった。以前にも両三度聞いた――渠の帰省談の中の同伴は、その容色よしの従姉なのであるが、従妹はあいにく京の本山へ参詣の留守で、いま一所なのは、お町とい....
出奔」より 著者:伊藤野枝
いた。 帰校後の登志子はほとんど自棄に等しい生活をしはじめた。彼女と一緒にいた従姉はただ驚いていた。登志子は幾度かその苦悶をN先生に許えようとした。しかし考え....
わがまま」より 著者:伊藤野枝
を見まわしている。 「チョイと、今度はいつに出るの、まだよほど時間があるかしら」従姉のまき子は登志子がボンヤリ時間表を眺めているのを見ると浮々した声で聞いた。 ....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の女房が、白い手を差向けた。 お米といって、これはそのおじさん、辻町糸七――の従姉で、一昨年世を去ったお京の娘で、土地に老鋪の塗師屋なにがしの妻女である。 ....
香水紳士」より 著者:大阪圭吉
前の、国府津の叔母さんのところへ行くのだった。 国府津の叔母さんのところには、従姉の信子さんがいる。信子さんは、クルミさんより五つ年上の二十一で、この月の末に....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
むことになり私は新宿のほうの親戚へ寄寓することになつたのである。新宿へ移つてから従姉のおともなどをして武蔵野館へよく行つた。 ターザンやキックインをここで見た....
寡婦」より 著者:秋田滋
月のあかるい晩などには、夕食がすむと、彼はよく私に向ってこう云いました。 「従姉さん、夢をみに行きましょうよ――」 私たちは庭へ出ました。林のなかの空地の....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
。」 と往来で釦をはずすと――(いま買ものをするのを待つと云った)――この男の従姉だという、雪国の雪で育った、色の抜けるほど白い、すっきりとした世話女房、町で....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
なにお心もお顔もお綺麗なお方ったらないわ。あんなお方こそ神様におなりになれるわ』従姉の一人が慰めのために云った言葉を、私は舌打ちしながら睨み返してやりました。 ....