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「御の字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御の字の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白くれない」より 著者:夢野久作
の地所でげすと、坪、五円でもいい顔を致しませんのに、その五六百坪ばかりは一円でも御の字と申しますんで……ヘエ。話ようでは五十銭ぐらいに負けはせぬかと……」 「プ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
新造さんの分と三枚運ぶ。御隠居さんと御《ご》の字のつくのが石川氏の母親のことで、御の字のつかない方のが娘のために引きとられて楽隠居をしていた、湯川老人を捨てたお....
貞操問答」より 著者:菊池寛
円に十円足りないのよ。」 「けっこうですとも。けっこうですとも、それだけあれば、御の字ですよ。」と、こんな人が、こんなにと思われるほど小池は相好を崩していた。 ....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
」 「遊んでおいでなされても、役目は忘れないとおっしゃるのね」 「それくらいなら御の字だ。遊びを役目の助けにしている――と云う荒っぽい時世なのさ」 妾宅を出る....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
は我らに生活の方法を立ててくれた菩薩じゃよ……こんなご時世、食えて行けさえしたら御の字じゃからのう」 ――菩薩、苦行者、左門の姿は、遙かの彼方で、この時、カッ....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
の帯に矢立てを差して、念入りに前だれまで掛けた親分の岡っ引きいろは屋文次、御用の御の字もにおわせずに、どこから見ても相当工面のいいお店者《たなもの》という風俗で....