御伽[語句情報] » 御伽

「御伽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御伽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
。よくそう云ってくれました。わたしも悪魔ではありません。悪魔も同様な黒ん坊の王は御伽噺にあるだけです。(王子に)そうじゃありませんか? 王子 そうです。(見物に....
地球盗難」より 著者:海野十三
思った。 だがこの檻の中に飼われている生き物の凄く巨大なることよ。これはまるで御伽噺に出てくる大人国の動物園に行ったような景色である。 さて次の檻には何物が....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
御蔵奉行、御料人様衆、御小姓衆、御しょう堂様衆、御|同朋衆、御使者番、御右筆衆、御伽衆、御茶堂衆に至るまで、その数およそ五百人、座を圧して居流れていた。尚三十人....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
今、与五郎芸人の身の冥加を覚えました。……ついては、新蕎麦の御祝儀に、爺が貴女に御伽を話す。……われら覚えました狂言の中に、鬼瓦と申すがあっての、至極初心なもの....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
になった。そこでこの頃小説で有名なる尾崎紅葉氏や、弁護士で有名なる角田竹冷氏や、御伽小説専門の巌谷小波《いわやさざなみ》氏や、法官の滝川愚仏氏、また森|無黄《む....
人形の話」より 著者:折口信夫
て行ひ給ひける程に、一人の梵士出で来て、大王のかくて行ひ給ふこと希代のことなり。御伽仕るべしとて仕へ奉る。 (宝物集第五) ありつる人のうつり来んほど御伽せんは....
小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
ているのもあれば、絵具箱を出して絵を描いているのもあった。老人は襖に背をもたせて御伽噺の本を眼鏡でたどっていた。私は裏庭を左にした壁のオルガンの前に腰かけて、指....
高原」より 著者:寺田寅彦
ワンダーランドのアリスの冒険の一場面を想い出した。顕微鏡下の世界の驚異にはしかし御伽噺作者などの思いも付かなかったものがあるらしい。 シモツケの繖形花も肉眼で....
白血球」より 著者:豊島与志雄
けないかをはっきり云い現わせなくて、彼女は中途で言葉を切った。 「だって、西洋の御伽噺にあるような、面白いお化なら出たって構わないわ。」 口を尖らし眼をくるり....
同胞」より 著者:豊島与志雄
して大事に育てられてきた。そして、祖父から甘い砂糖菓子を分けて貰い、祖母から古い御伽話や怪談を聞き、母の乳首を指先でひねくることの出来るうちは、別に何とも思わな....
怪談劇」より 著者:岡本綺堂
真の怪談劇と認むべきものは甚だ少ない。例の「四谷怪談」でお岩と小平を見せ、「彩入御伽草」で小平次と皿屋敷を見せ、「成田利剣」で累を見せているくらいで、他は真の怪....
暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
一回寄合っての怪談会である。 今夜はF君が、最近手に入れたという柳糸堂の「拾遺御伽婢子」の原本を持って来て、面白そうな物語を片っ端から読みあげたが、そのうち、....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
が取材を難ずるにあらず。その出処に迷うなり。ひそかに思うに、著者のいわゆる近代の御伽百物語の徒輩にあらずや。果してしからば、我が可懐しき明神の山の木菟のごとく、....
火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
ついで、ほうほうたる髯面を炎熱に晒して、野鼠の群のように通行したところで、今では御伽話か、英雄譚の古い舞台になっている。かつて桑港の古本屋で見たその頃の石版画に....
雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
めした池沼のほとりの雰囲気はいつも自分の頭のどこかに幼い頃から巣くっている色々な御伽噺中の妖精を思い出すようである。 大正池の畔に出て草臥れを休めていると池の....