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御供物
「御供物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御供物の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
世間である。女王の逆鱗《げきりん》は鍋《なべ》、釜《かま》、味噌漉《みそこし》の
御供物《おくもつ》では直せない。役にも立たぬ五重の塔を霞《かすみ》のうちに腫物《....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
だつぼみが見える。つぼみと、それを包む薹とは、赤と白とを市松格子形に互層にして、
御供物の菓子のように盛り上っている。花として美しく開くものは、つぼみとしてまず麗....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
かいでないの、一生懸命の顔で怖いこと/\」 梅「一生懸命だって、お前を可愛がって
御供物や何か下さる旦那さまだもの、ほんのお酒の上だよ」 繼「然う、私ゃねお父様を....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
藏、文吉、藤治郎、多藏、彌五右衞門の七人に買って来て呉れてえ頼まれて、御守が七つ
御供物が七つある、それは宜えが金が二十両脇から預かって、小さい風呂敷に包んで金が....
「祭」より 著者:寺田寅彦
にとの両親の考えで少し繰り上げて八月某日にする事ときめてあったが、数日来のしけで
御供物肴がないため三日延びた。その朝は早々起きて物置の二階から祭壇を下ろし煤を払....
「母親」より 著者:豊島与志雄
の前面には、美装の人々が立ち並び、衣冠束帯の神官から清め祓いを受け、白紙に包んだ
御供物を貰い、そして右手の通路から退出して来るのである。 それらのことを、信子....
「或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
のだった。 祠は急に賑い出した。或る農婦の、一昼夜も断続していた胃痙攣が、その
御供物の一つの菓子でぴったりと止んだからだった。そして森の中には白い二本の大旗が....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
祖母にひどく叱られました。祖母は信仰も何もないのですが、昔気質ですから、初午には
御供物をなさいました。先住は質屋の隠居だったといいますから、その頃にはよく祭った....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
浴衣《ゆかた》かかりて、その傍《かたわら》なる縁起棚《えんぎだな》にはさまざまの
御供物《おくもつ》賑《にぎわ》しきが中《なか》に大きなる金精大明神《こんせいだい....