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御出し
「御出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
えり》みた。傍《そば》に立った千代子は高木の動かない前に手を出した。 「こっちへ
御出しなさい。持ってるから」 そうして高木から二つの品を受け取った時、彼女は改....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
、 「足りないところは、私《わたし》が足して上げるから、構わない。何しろ有るだけ
御出し」 と、思ったよりは平気である。自分はこの際一銭銅や二銭銅を勘定するのは、....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
鏡を一つ奢《おご》るかな」 終《しまい》には旦那様も釣込れて、 「拝借」と手を
御出しなさいました。 一人の御客様が笑いながら渡しますと、旦那様も面白そうに鼻....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
く存じ候。ゆめ/\左様にては御座なく候。(中略)城中より出で申し度しと申す者ども
御出し候はゞ、御断りを申し城中へ参り、一処に相果て申す可く候。(後略) 言々誠....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ならでは付送り方に御回し下さらず、これも御出入り牛方同様に不憫を加え、荷物も早速
御出し下さるよう御取り計らいありたきこと。(もっとも、寄せ荷物なき時は拠なく、そ....
「家」より 著者:島崎藤村
と言って、女教師は思いやるように、「あのまあ房子さんが、病院中へ響けるような声を
御出しなすって、『母さん――母さん――』と呼んでいらッしゃいましたが、母さんの身....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
す様ですけれ共、彼あ云う御縁組をなされば何は無くても知り合いを集めて御酒の一杯も
御出しなさるべきですのにね。 そんな事もまるで無かった様でございますよ。 御....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
御様などお変えになるのでございましょう。そんな事を遊ばしてはいけません。主の女房
御出し申してはいけません」と云ってつれて居ためぶ吉祥などと云う男をとめておいて我....
「日記」より 著者:宮本百合子
のおじいさんについて、芝居について。「公暁」の脚本はもう出来て、『中公』の六月に
御出しなさるのだそうだ。御すしを御馳走になる。あの御じいさんが、きっと、「ああ生....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
浜様 ○ 明治三十九年十月十八日(封書) 拝啓手紙は『国民新聞』へ
御出しのよし。ちっとも構いません。出したら出したで小説でも論文でも出来ますから、....