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御化
「御化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御化の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
しいような心もちさえした。
「今夜はすっかり遅くなってしまった。何しろ僕等の方は
御化粧に手間が取れるものだから。」
俊助と二言《ふたこと》三言《みこと》雑談を....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
していえば性格の弱い人が多いと思える。つまり才子風の人が多いと思う。 だから、
御化けの話を好む人は大てい、意地の悪くない、多少他人に対して臆病な、好人物が多い....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
うに月給は昇った。私は小さな陶器の灰皿を買ったりしてたのしんだ。女でありながら、
御化粧したりしないことを小使いのおばさんが不審がった。 「ちっと、口紅でもぬんな....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
今日は、すっかりかわった感じね」 南原杉子は、髪毛を派手にカールして、その上、
御化粧もくっきりあざやかにほどこしていた。いつもの直線的な洋服ではなく、衿もとに....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
内の事は雲深く、その頃の私は拝観したことも御座いませんから分りもしませんが、その
御化粧の御間に据えられる所の鏡の鏡縁の彫刻を仰せ附けられたようなわけでありました....
「雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
横木に大小四本の円筒が並べて垂直に固定してある。筒の外側はアルミニウムペイントで
御化粧をしてあるが、金属製だかどうだか見ただけでは分らない。昔は花火の筒と云えば....
「鴫つき」より 著者:寺田寅彦
の間に五羽、外に小胸黒を一羽取った。近頃このくらい面白かった事はない。「今晩鴫の
御化けが来るぜ。」「来たら脇腹をつまんでやらあ。」(明治三十四年九月)....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
ない。(感心に彼女は自分で髪を束ねて、決して人手を借りなかった。)次には長い長い
御化粧が初まる。歯医者へ通うので殊に念が入るのだ。細いしなやかな指先を、顔や頸筋....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
なの。これじゃお湯にも行けやしない。あなた。まだいいでしょう。わたし顔だけ洗って
御化粧《おしまい》してしまうから。」 女は口をゆがめて、懐紙《ふところがみ》で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ころをかいたもので、あのお稚児《ちご》さんは、その晩泊った旅人、実は観世音菩薩の
御化身《ごけしん》が、強慾《ごうよく》な老婆をいましめの方便ということになってい....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
つものばかり着てと、御作さんは絣《かすり》の綿入羽織を出さなかった。 やがて、
御化粧が出来上って、流行の鶉縮緬《うずらちりめん》の道行《みちゆき》を着て、毛皮....
「それから」より 著者:夏目漱石
のだから、わざわざ自分を呼び寄せたに違ないと解釈した。 梅子と縫子は長い時間を
御化粧に費やした。代助は懇《こん》よく
御化粧の監督者になって、両人《ふたり》の傍....
「門」より 著者:夏目漱石
のね」と訴えるように宗助《そうすけ》に告げた。実際ここを取り上げられては、御米の
御化粧《おつくり》をする場所が無くなってしまうのである。宗助は何の工夫もつかずに....
「夢十夜」より 著者:夏目漱石
でたまらない。生涯《しょうがい》蜂に螫されているように思う。 芸者が出た。まだ
御化粧《おつくり》をしていない。島田の根が緩《ゆる》んで、何だか頭に締《しま》り....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
って一人でニヤニヤと笑った。それから寝台を離れて顔を洗う台の前へ立った。これから
御化粧が始まるのだ。西洋へ来ると猫が顔を洗うように簡単に行かんのでまことに面倒で....