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「御厄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御厄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
たちも今申したとおり塾《じゅく》に入れてしまいますし、この後はこれといって大して御厄介《ごやっかい》はかけないつもりでございます。赤の他人の古藤さんにこんな事を....
或る女」より 著者:有島武郎
かけて変にお思いでしょうが、僕は下らんやくざ者で、それでも元は早月家にはいろいろ御厄介《ごやっかい》になった男です。申し上げるほどの名もありませんから、まあ御覧....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
手をちゃんと、媚しいが威儀正しく、 「寝ますから、もうお構いでない、お取込の処を御厄介ねえ。」 「はッはッ。」 遠くから長廊下を駈けて来た呼吸づかい、番頭は口....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
。壁の破れた処から、鼠が首を長くして、私の帰るのを待っている。四五日はこの桑名へ御厄介になろうと思う。……上旅籠の湊屋で泊めてくれそうな御人品なら、御当家へ、一....
女客」より 著者:泉鏡花
は内証ですがね、これでも自分で呆れるほど、了簡が据っていますけれど、だってそうは御厄介になっても居られませんもの。」 「いつまでも居て下さいよ。もう、私は、女房....
婦系図」より 著者:泉鏡花
私の学校へ、参観に。」 新学士 十三 「昨日は母様が来て御厄介でした。」 と、今夜主税の机の際に、河野|英吉が、まだ洋服の膝も崩さぬ前....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ん。明神様も、御迷惑だったでしょう。) (貴女は。) (私は可厭ですわ――それに御厄介になっております居候なんですから。) 瓜の中が解ったら、あるいはこの意味....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
か、と云うに就いて、推参したのでございますが、いや、何とも驚きました。 いずれ御厄介に相成らねばなりませんが、私もどうか唯今のその茄子の鳴くぐらいな処で、御容....
三枚続」より 著者:泉鏡花
|六臂となったので、青年は身の置場に窮した形で、汗を拭き、押拭い、 「へい飛んだ御厄介様で、からもうお転婆でございまして、」 「可いさ。だがの、内なぞは傍のおつ....
註文帳」より 著者:泉鏡花
て剃刀が天降ります、生命にかかわるからの。よ、隣のは筋が可いぜ、はんぺんの煮込を御厄介になって、別に厚切な鮪を取っておかあ、船頭、馬士だ、お前とまた昔話でもはじ....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
したが、さりげのう、ただ頷いていたのでありました。 「そらお雪、どうせこうなりゃ御厄介だ。お時儀も御挨拶も既に通り越しているんだからの、御遠慮を申さないで、早く....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
も、ものに譬えようがありますまい。――無理解とも無面目とも。……あれで皆木戸銭の御厄介です。またあの養母というのがね、唾を刎ねてその饒舌る事饒舌る事。追従笑いの....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
らここに待って居なさい。僕が見えて居たら居られるでしょう」 「ほんとに政夫さんの御厄介ですね……そんなにだだを言っては済まないから、ここで待ちましょう。あらア野....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
にして夜の物を運んで来た。予は身を起して之《これ》を戸口に迎え、 「夜更にとんだ御厄介ですなア。君一向蚊は居らん様じゃないか。東京から見るとここは余程涼しいなア....
昔のことなど」より 著者:上村松園
から先生は若い人達の間に嘱望されていられました。 楳嶺先生の塾に私は二年ばかり御厄介になったのですが、その頃の楳嶺塾では芳文・棲鳳・香※の三先生が年輩もそこそ....