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御名
「御名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《らいごう》を受けたにも増して、難有《ありがた》く心得たに相違ない。されば父上の
御名誉も、一段と挙がろうものを。さりとは心がけの悪い奴じゃ。」と、仰有ったもので....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
の悲しみを運んで来た。彼はその悲しみを払うために、そっと泥烏須《デウス》(神)の
御名《みな》を唱えた。が、悲しみは消えないばかりか、前よりは一層彼の胸へ、重苦し....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ぼんやり耳を傾けていた。すると女は炉の中へ、新に焚き木を加えながら、
「あの――
御名前は何とおっしゃいますか。私は大気都姫《おおけつひめ》と申しますが。」と云っ....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
翌日、この島の火山へ登りました。それから一月ほど御側《おそば》にいた後《のち》、
御名残り惜しい思いをしながら、もう一度都へ帰って来ました。「見せばやなわれを思わ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
始めとして、寛永十四年島原の乱に際しては西国《さいごく》の軍に将として、将軍家|
御名代《ごみょうだい》の旗を、天草《あまくさ》征伐の陣中に飜《ひるがえ》した。そ....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
君のうちにあるならば、私は私の満腔《まんこう》の同情をもって、イエス・キリストの
御名《みな》によって、父なる神の
御名によって、聖霊の
御名によって、教会のために、....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
して今までとは打って変って神々しい威厳でクララを圧しながら言葉を続けた。 「神の
御名によりて命ずる。永久に神の清き愛児たるべき処女よ。腰に帯して立て」 その言....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
、まだ三時には間があったので、最う最うあたまがおもいから、そのまま黙って、母上の
御名を念じた。――人は恁ういうことから気が違うのであろう。....
「火星探険」より 著者:海野十三
ニー博士以下われらの生命を助けたまえと、ふだんは我慢づよい河合も遂《つい》に神の
御名《みな》を唱《とな》えたのだった。 河合少年の祈りが神様のお耳に届いたせい....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
袖の、発心の涙が乾いて、おのずから果敢ない浮世の露も忘れる。 いつとなく、仏の
御名を唱えるのにも遠ざかって、前刻も、お前ね。 実はここに来しなであった。秋谷....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
! これからは俺がそなたの指導役、何事もよくききわけて、尊い神さまの裔孫としての
御名を汚さぬよう、一|時も早く役にもたたぬ現世の執着から離れるよう、しっかりと修....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
ふッと墓を抜けて出ると、向うの桃に影もない。…… 勿体なくも、路々拝んだ仏神の
御名を忘れようとした処へ――花の梢が、低く靉靆く……藁屋はずれに黒髪が見え、すら....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
せむと思うことなかれというなり。詮ずれば秀を忘れよというなり。その事をば、母上の
御名にかけて誓えよと、常にミリヤアドのいえるなりき。 予は黙してうつむきぬ。 ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
表紙の画の撫子に取添えたる清書草紙、まだ手習児の作なりとて拙きをすてたまわずこのぬしとある処に、
御名を記させたまえとこそ。 明治三十五年壬寅鏡花 「どうも相済みません、昨日....
「活人形」より 著者:泉鏡花
あお殺し。と口にて衣紋を引合わせ、縛られたるまま合掌して、従容として心中に観音の
御名を念じける。 その時得三は袖を掲げて、雪より白き下枝の胸を、乳も顕わに押寛....