御墓[語句情報] »
御墓
「御墓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御墓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
好《い》い日曜の午《ひる》過ぎだった。母は小さな墓の前に来ると、これがお父さんの
御墓だと教えた。が、彼はその前に立って、ちょいと御時宜《おじぎ》をしただけだった....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
し》か川端で殺されて此の間お検死が済んで葬りになりました娘子様《むすめごさん》の
御墓所《ごぼしょ》でございますか」
下女「
御墓所てえ何《なん》だか」
新「こ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
長三郎もその人を見て会釈すると、理右衛門は笑いながら訊いた。 「どこへ行かれる。
御墓参かな」 「いえ。綾瀬村まで……親類かたへ参ります」 「それは御苦労。わたし....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
がた、土産ものを持って、主税が真砂町へ出向くと、あいにく、先生はお留守、令夫人は
御墓参、お妙は学校のひけが遅かった。 二十六 仮にその日、先生な....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
らだ。マクベスの門番が怖《おそろ》しければ寂光院のこの女も淋しくなくてはならん。
御墓を見ると花筒に菊がさしてある。垣根に咲く豆菊の色は白いものばかりである。これ....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
て、早速お供を申し上げることになったのでございます。 申し忘れましたが、奥様の
御墓所は谷中墓地でございまして、田端のお邸からはさして遠くもございませんので、私....
「家」より 著者:島崎藤村
飯すんですもの」 「まあ」 「しかし、二人とも達者でいる時分には、よく繁ちゃんの
御墓へ連れて行って、桑の実を摘って遣りましたッけ。繁ちゃんの桑の実だからッて教え....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
従ったことがあるが、今度は契沖に従った。 一首の意。〔青旗の〕(枕詞)木幡山の
御墓のほとりを天がけり通いたもうとは目にありありとおもい浮べられるが、直接にお逢....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
に、御心さへ似られける事云ふばかりなし。法華経にて仏にならせ給ひて候と承はりて、
御墓に参りて候」 こうした深くしみ入り二世をかけて結ぶ愛の誠と誓いとは、日蓮に....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
頃でございましたろうか、……旦那様、手前、文麻呂様があの鹿ヶ|谷にあるお母上様の
御墓所の近くに、死んだようになって倒れていらっしゃるのを見つけたのでございます。....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ですから、下にずっと瓦を敷き詰めて、三方腰掛になっているのは支那風なのでしょう。
御墓所は本堂の右手裏にありました。江戸で亡くなった方ばかりですから多くはありませ....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
まに、墓参の男を熟と視て、 「多くは故人になられたり、他国をなすったり、久しく、
御墓参の方もありませぬ。……あんたは御縁辺であらっしゃるかの。」 「お上人様。」....
「法然行伝」より 著者:中里介山
に三肢になった松があって、それを紫雲の松と名附けられ、その荼毘の跡には堂を建てて
御墓堂と名づけて念仏した。今の光明寺である。 遺骸を拾い、瓶《かめ》に納め、幸....
「古事記」より 著者:太安万侶
かくして七日過ぎての後に、そのお妃のお櫛が海濱に寄りました。その櫛を取つて、
御墓を作つて收めておきました。 それからはいつておいでになつて、悉く惡い蝦夷《....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
おとなしくお床の上に休んでいらっしゃいました。 ある日、大奥様は一度大旦那様の
御墓参がしたいと仰しゃいました。お医者様に御相談すれば無論いけないと申されるに定....