御大層[語句情報] » 御大層

「御大層〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御大層の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
こじゃこの頃、家中《うちじゅう》がトルストイにかぶれているもんだから、こいつにも御大層なピエルと云う名前がついている。僕はこいつより、アンドレエと云う犬の方が欲....
婦系図」より 著者:泉鏡花
だから、汝の足でも踏んだんだろう、と思ってよ。足ぐれえ踏んだにしちゃ、怒りようが御大層だが、面を見や、踵と大した違えは無えから、ははは、」 と夜の大路へ笑が響....
山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
、紙面を鼻の先に押付けて、初号活字の標題を探り読んだ。コンナ盲目同然のおやじを、御大層に飼っとく新聞社は、まったくのところ、日本全国に無いだろう。 「この記事は....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
そういう風に彼は云つた)一言も弁解してやらぬとは何たる醜態だ。 私の前で、いや御大層に大きな事を長々と述べたが、それは結局警察では一言も取り上げられなかつたの....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
|以来お前のためには大層苦労をしているんだア、それを何だえ、荒物屋の旦那だとえ、御大層らしい、私ゃア今こう成ったッても、昔の事を忘れない為に、今でもこうやって木....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
負けないくらいの早さで歩いて行かれるようであります。 「帯屋七郎左衛門、なんだか御大層《ごたいそう》な家だ、俺《おい》らの泊る家じゃねえや」 米友は今夜泊るべ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
嬢さんたちは、芝居の八百屋お七や油屋《あぶらや》お染だと思えばまあ間違いはない、御大層なのは友禅《ゆうぜん》の座ぶとんを抱えさせてくる。お手習だけしているのもあ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
兄《あに》い与吉、ひとり物思いにふけりながら、ブラリ、ブラリやってくる。 その御大層《ごたいそう》もない茶壺を、あの品川へ着いた夜の酒宴《さかもり》に、三島か....
故郷」より 著者:井上紅梅
迅ちゃん、お前さんに言うがね。お前はお金持になったんだから、引越しだってなかなか御大層だ。こんな我楽多道具なんか要るもんかね。わたしに譲っておくれよ、わたしども....
小説 円朝」より 著者:正岡容
のすぐ前方へと、グイとひと梶すすめてしまった。 「ねえ師匠。どっかのお天気野郎が御大層な首抜きの縮緬浴衣を見せびらかしにきていやすぜ」 聞こえよがしのお追従を....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
である。それがためか否かは別としても、ともかく、京都からIという陶家を鎌倉に招き御大層な窯を築き、宿志なれりと考えられたのである。しかし、その束の間は実に数旬を....