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御宅
「御宅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御宅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
らう気色《けしき》を見せた。しかしすぐ眼を挙げると、気の毒そうにつけ加えた。
「
御宅ではとんだ事でございましたってねえ。」
敏子は沾《うる》んだ眼の中に、無理....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
きんきん》に東京中が、森になるそうでございますから、その節はどうか牧野同様、私も
御宅へ御置き下さいまし。御願いと云うのはこれだけでございます。」
相手はゆっく....
「路上」より 著者:芥川竜之介
懐《ひとなつか》しい声でこう云った。
「ええ、一時間ばかりいて帰りました。」
「
御宅はやはり本郷《ほんごう》?」
「そうです。森川町《もりかわちょう》。」
俊....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
き払って、ちょいと麦藁帽子の庇《ひさし》へ手をやりながら、「阿母《おかあ》さんは
御宅ですか。」と、さりげなく言葉をかけました。「はあ、居ります。」「で、あなたは....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
来たのか。」 「いいえ、実は……」 といささか取附くことが出来た…… 「先刻、
御宅へ伺いましたのですが、御留守でございましたから、後程にまた参りましょうと存じ....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
も待たず、息をはずませながら、 「此方は、角野さんの御親類でしょう。今角野さんの
御宅が大変なのです。すぐ誰か来て下さるように……」と、云いながら、その男は、スタ....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
じゃ。もし、これ、この夏、八月の下旬、彼これ八ツ下り四時頃と覚えます。この邸町、
御宅の処で、迷いに迷いました、路を尋ねて、お優しく御懇に、貴女にお導きを頂いた老....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
言っても可い位だからね」とお徳は嘆息まじりに「真実にやりきれや仕ない」 「それに
御宅は御人数も多いんだから入用ことも入用サね。私のとこなんか二人きりだから幾干も....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
ど、とりあえずよんで下さい。 今、九時二十分頃でしょう、今日は十二月二十八日。
御宅へ御邪魔して、神戸へ戻り、メコちゃんという、屋台の焼とり屋で、一本コップ酒、....
「葬られたる秘密」より 著者:小泉八雲
にはもう何も御座いませんのです』――大玄和尚は言った『宜しい、では、今夜|拙僧が
御宅へ上り、その部屋で番をいたし、どうしたらいいか考えてみるで御座ろう。どうか、....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
しゃるのに、不思議と草鞋穿で、饅頭笠か何かで遣って見えてさ、まあ、こうだわ。 (
御宅の御新造|様は、私ン処に居ますで案じさっしゃるな、したがな、また旧なりにお前....
「頭上の響」より 著者:北村四海
聞くのだ、私は他人の家へ談話に行っていて、それを聞いた時もあるので、私は家人に「
御宅では、こんなに昼間鼠が騒ぎますか」と訊ねて「いいえ、そんな事はありません」と....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
こんな思い出を残して去った。 Sさん。郡部の方もだんだん開けて来るようですね。
御宅の御近所も春は定めてお賑かいことでしょう。そこでお前の住んでいる元園町の春は....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
は、その中の一節である。 二十八日の夜は深沢君および三浦君とともにこの江畑君の
御宅で御厄介になった。近所の石名館から発掘したという石器、土器など取り寄せて見せ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
はわれらも充分に玩味すべきである。伊藤氏はそのときの講義録を私にくれるとてパリの
御宅を再三探して下さったが遂に発見できなかった。私はあきらめかねてなおも若し見付....