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御客様
「御客様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御客様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔術」より 著者:芥川竜之介
》する気色《けしき》もなく、静に椅子から立上ると、
「御婆サン。御婆サン。今夜ハ
御客様ガ御泊リニナルカラ、寝床ノ仕度ヲシテ置イテオクレ。」
私は胸を躍らしなが....
「路上」より 著者:芥川竜之介
バラタか何からしいですよ。」
二十四
「安田《やすだ》さん、
御客様でございますよ。」
こう云う女中の声が聞えた時、もう制服に着換えていた俊....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
暮の上げ潮だったが、仕合せとあすこにもやっていた、石船の船頭が見つけてね。さあ、
御客様だ、土左衛門だと云う騒ぎで、早速橋詰の交番へ届けたんだろう。僕が通りかかっ....
「幻談」より 著者:幸田露伴
折らぬように加減をしながらグイと引きました。すると中浮《ちゅううき》になっていた
御客様は出て来ない訳には行きませんでした。中浮と申しますのは、水死者に三態ありま....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
は申しませんでした。ただ私が、折々掛けかえて置きますのを見て、楽しんでいました。
御客様のようになって、見たりなどして喜びました。地味な趣味の人であったと思います....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
め、鼻の孔まで粉雪吹込んで水に溺れしよりまだ/\苦し、ましてや准備おろかなる都の
御客様なんぞ命|惜くば御逗留なされと朴訥は仁に近き親切。なるほど話し聞てさえ恐ろ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
きだと思う時が、全くないものでもなかった。母は花が好きであったから、私を連れて、
御客様をおまねきしたりする時は、殊に遠い温室のある花屋まで買いに行った。私は、む....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
売ったそうです。」 「馭者に?」 「はあ、何でも一人の馭者が店先に馬車を止めて、
御客様が入用だから、自動車運転手用の黄色い皮帽子をくれといって、ちょうどこれが一....
「被尾行者」より 著者:小酒井不木
子さんにあいに来たのでない?」 「いいえ」と妙子は驚いた様子をした。「何だか下へ
御客様があったようだけれど、どんな人だか知らぬわ」 「きっとあわなかった?」 「....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
。ちょうど温かい心もちが無いのではありませんが、機転のきかない妻君が、たまたまの
御客様に何か薦めたい献りたいと思っても、工合よく思い当るものが無いので、仕方なし....
「勝太郎」より 著者:兼常清佐
いる。 ――と、こんな事は、もちろん全くの素人の言う事である。こんなレコードの
御客様方には、恐らくどうでもいい事であろう。そしてレコードはレコード会社の商品で....
「秘密の相似」より 著者:小酒井不木
様に私の身体の不浄を申し上げたのは、披露の宴も大方すもうとした頃で御座いました。
御客様がたは、だいぶ御酒を召しあがって、随分上機嫌におなり遊ばしましたが、私は恐....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
ばせ。 領主 いいではないか、外を見るのは俺の勝手だ。お前は俺の云いつけた通り、
御客様を御馳走する準備をせい。(とまた窓の外を向き)ああ初夏の夕べほど気持ちのよ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
を切下げの媼、見るから気高い御老体。 それともつかぬ状で座敷を見入ったが、 「
御客様かい、貴方御免なさいよ。」といって座に着いた。 「灯をね、」と顔をさし寄せ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
にて、「つい混雑に紛れまして、まだ御挨拶も申しません。貴下は今しがた御着になった
御客様、さてはその筋の。と敬えば、銀平したり顔に打頷き、「応、僕は横須賀の探偵だ....