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御寝
「御寝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御寝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
ねむりぐすり》をかい」 「はい、手術の済みますまで、ちょっとの間でございますが、
御寝《げし》なりませんと、いけませんそうです」 夫人は黙して考えたるが、 「い....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を見て御安心になったらしく、三度も盃をお換えになったほどでございます。それから、
御寝になったらしいので、旗太郎様が寝室の壁にあるテレーズの額をはずして、伸子さん....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
され」此処で香具師はヘラヘラ笑った。 「が、それにしてもお前様は、どうしてそんな
御寝所などで、何をしておいででございますな」老女の声は咎めるようであった。 「へ....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
っきり冷えが増して参ったように厶ります。お微行のあとのお疲れも厶りましょうゆえ、
御寝遊ばしましてはいかがで厶ります」 「…………」 「な! 殿!」 「…………」....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
さる、其の御恩の程は私は死んでも忘れは致しませんが、殿様はお酒を召上ると正体なく
御寝なさる、又召上らなければ
御寝なられません故、少し上って下さい、余りよく
御寝な....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
尾、小宮山は空可恐しく思っております。女は慇懃に手を突いて、 「それでは、お緩り
御寝みなさいまし、まだお早うございますから、私共は皆起きております、御用がござい....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ように、肩を震わすと、後毛がまたはらはら。 「寒くなった、私、もう寝るわ。」 「
御寝なります、へい、唯今女中を寄越しまして、お枕頭もまた、」 「いいえ、煙草は飲....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
かれるねえ。」 「何、そりゃおいら整然と旨くやってるから、大概内の奴あ、今時分は
御寝なっていらっしゃると思ってるんだ。何から何まで邸の事をすっかり取締ってるなあ....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
せてしまわれた。君は失せた小督の事に思い沈ませられて供御なんかも召さずゆっくりと
御寝にもならないと云う事を入道相国がきいて「君は小督の事に思い沈んでいらっしゃる....
「葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
て、なかなか信用しませんでしたが、何しろ困りきっているところでしたから、ためしに
御寝所の東北の柱の下を掘らしてみますと、なるほど童子のいったとおり、火のような息....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
、この忙しさは心たのしいものである。 御食事がすむ、姫君方はお疲れだから、それ
御寝所の用意を致せというので、私があらゆる押入をひっかきまわして有るたけのフトン....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
――十年戸をあけないあけずの館で、懺悔浄罪なさりませ! ……あの館のあの二階で、
御寝なされていたお父様の臥所へ、古沼から捕った毒虫を追い込み、それに噛せてお父様....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
ら宿直に当った。 この土地冬は雪多く、夏は又蚊が少くないのであった。団扇使いは
御寝の妨げと差控え、その代り名香をふんだんに、蚊遣り火の如く焚くのは怠らなかった....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
遊ばしませ――何んだか今夜も昨晩のように魔でもさしそうな晩でござります。――早く
御寝間へおはいりなされてお眠り遊ばしませ。 女子 (悲しげに)どうして私が眠られ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
擦るわ、揉むわ、で、そのあげくが床の上下し、坊主枕の蔽いまで取りかえて、旦那様、
御寝なれだ。 野郎一生の運が向いて、懐を払いた、芸妓、女郎に惚れられたってそう....