御寮人[語句情報] » 御寮人

「御寮人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御寮人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
わが町」より 著者:織田作之助
ちに、本当にその覚悟が膝にぶるぶる来て、光った眼をきっとあげると、傍にいた笹原の御寮人が、 「あんたのそう言うのんはそら無理もないけど、ほんまに男手ひとつで育て....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
家号でありました」 と、雪之丞は、うなずいたが、ふと、調子を変えて、 「ねえ、御寮人《ごりょうにん》さん――名さえまだうかがわないが、こんなことになった以上、....
南地心中」より 著者:泉鏡花
ゃ、奴ッてそう言います。島田|髷に白丈長をピンと刎ねた、小凜々しい。お約束でね、御寮人には附きものの小女ですよ。あれで御寮人の髷が、元禄だった日にゃ、菱川師宣え....
大阪発見」より 著者:織田作之助
緒に出歩いたことのない水臭い仲で、お互いよくよく毛嫌いして、それでもたまに大将が御寮人さんに肩を揉ませると、御寮人さんは大将のうしろで拳骨を振り舞わし、前で見て....
」より 著者:織田作之助
すると、三十余りの色の黒い痩せた女がおずおずとやってきて、あの、こちらは寺田屋の御寮人様で、あ、そうでございましたかと登勢の顔を見るなり言うのには、じつは手前ど....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
たばかりなので、客の顔ぶれは近所のご隠居体なのや、根岸あたりの寮へ来ている商家の御寮人《ごりょうにん》や高島田の娘。いずれも暇そうな顔ぶればかりで、店の中もまだ....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
った。 もとよりその頃は既に身うけされて、朝鮮の花街から呼び戻され、川那子家の御寮人で収まっていたお千鶴は、 「――ほかのことなら辛抱できまっけど、囲うにこと....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
《せんだいひら》の袴に麻上下《あさがみしも》、黒繻子前帯《くろじゅすまえおび》の御寮人《ごりょうじん》、絽《ろ》の振袖に錦の帯。織るような人波を押しわけながら、....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
女――すなわちカテリーナ・リヴォーヴナを、商人仲間ぜんたいの前に、天晴れ堂々たる御寮人様として押しだすすべを、今ではなくしてしまったからだ……というのである。そ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
われた通りにしてゆくと、風呂場の次の小間で、朱実の髪をなでつけていたお甲がどこの御寮人かとばかり、こってり盛装したすがたをすぐその後から見せて、 「あなた、何を....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。徒然の春の旅か。そんなふうに見うけられる。 「……何?」 伊織は、振向いて、御寮人と娘の顔をじっと見た。まだどこか、眼がうつろなのだった。 娘は、母を見―....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
どこへ行くのか、何を目星か、縦から見ても横から見ても、掏摸とは思えぬ品のよい御寮人様。 四天王寺の日除地、この間までの桃畑が、掛け小屋御免で、道頓堀を掬っ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ういいながら、あわてて、後を追ってきた手代ふうの男と、そして、三十がらみの商家の御寮人。 それは、四国屋のお久良と、手代の新吉だった。 「おーい、お待ちってば....
春の雁」より 著者:吉川英治
がら云っても、人を蔑むように美しいのである。 清吉は、頭を掻いて、 「だって、御寮人様、何ぼなんでも、この唐桟を、十七両だなんて」 「高価すぎるかえ」 「ご冗....
大岡越前」より 著者:吉川英治
の皮は、吉弥も手伝って、ぬぎ捨てていた。 脱ぎすてると、彼女は、ただの堅々しい御寮人さまか、武家の奥さんという風の女としか見えない。 髪は、あっさりと結い、....