御山[語句情報] »
御山
「御山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
逃げ去った事、京極《きょうごく》の御屋形《おやかた》や鹿《しし》ヶ|谷《たに》の
御山荘も、平家《へいけ》の侍に奪われた事、北《きた》の方《かた》は去年の冬、御隠....
「二百十日」より 著者:夏目漱石
ているからおかしいんだよ。時にこう、精進料理《しょうじんりょうり》じゃ、あした、
御山《おやま》へ登れそうもないな」 「また御馳走《ごちそう》を食いたがる」 「食....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
ろをもって見ると、何でもよほど性《たち》の悪い野良狐《のらぎつね》に違ない。 「
御山《おやま》へ御登《おあが》りやすのどすか、案内しまほうか、ホホホ妙《けったい....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
その一 越の
御山永平寺にも、爽やかな初夏が来た。 冬の間、日毎日毎の雪|作務に雲水たちを苦....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
たパーティ(登山者一、案内二)のシュプールがかすかに残っている。一行は一ノ越から
御山谷を途中まで下り、二〇五〇メートルくらいの尾根を越して中の谷へおり、のちここ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
忽然眼の前が暗くなった。おお夜が来たらしい。いやいや太陽は輝いていた。夕陽が
御山を染めていた。 彼の視力は弱って来た。 もう歩くことが出来なかった。と急....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
幸を仰せ出されたのは去る八月十三日のことであった。これは攘夷御祈願のため、神武帝
御山陵ならびに春日社へ御参拝のためで、しばらく御逗留、御親征の軍議もあらせられた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
お》に、いささかの頬笑《ほおえ》みの影が浮ぶのであります。 拝殿の前から三輪の
御山を拝む。
御山は春日《かすが》の三笠山と同じような山一つ、樹木がこんもりと....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
すから、炭でも薪でも、残らず馬に附けて出しますのでございます。 それに丁どこの
御山の石の門のようになっております、戸室口から石を切出しますのを、皆馬で運びます....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
う。そうするとこまりますから御暇を申しあげます」と云って泣く泣くそこを出て高野の
御山にのぼって法憧院梨の坊と云う所に行すまして居らっしゃった。横笛もそうやって居....
「俊寛」より 著者:倉田百三
でもいられます。わしがあの奥深い森を選んだのは、あたりの様子がどことなしに那智の
御山に似ているからです。あれは本宮、これは新宮、一の童子、二の童子とかりに所を定....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
行《ようぶつばやり》、新学、実学が奨励されて以来、呪法の如きは、あるまじき妖術、
御山行者の真似事、口寄巫女《くちよせみこ》に毛の生えたものと――就中《なかんずく....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
もペコペコものであった。 預申金子之件 一金三千両也 但通用金 右者其
御山御霊屋御年番御用御年金之内今般酒井左衛門尉就公務要用預被申候処実証也返済之儀....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
百年も経たりとおぼゆる老樹の杉の、幾本となく蔭暗きまで茂り合いたり。これより神の
御山なりと思う心に、日の光だに漏らぬ樹蔭の涼しささえ打添わりて、おのずから身も引....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
て残雪とに按配された美しい山谷の模様は、依然として変らぬ美しさを持っている。朝の
御山廻りを済した連中であろう、室堂と地獄谷との間を蟻のように往来しているのに気が....