御影石[語句情報] » 御影石

「御影石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御影石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
《かんせい》な住居《すまい》でもないらしい。昔通りのくぐり門をはいって、幅の狭い御影石《みかげいし》の石だたみを、玄関の前へ来ると、ここには、式台の柱に、銅鑼《....
猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
ままに橋の袂へ行った。そこには、これから架橋工事が始まるらしく四角に截《き》った御影石《みかげいし》が幾つもごろごろと置いてあった。彼女は彼の手を掴んだままその....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
村よりまたまた野辺地《のべち》まで海岸なり、野辺地の本町《ほんまち》といえるは、御影石《みかげいし》にやあらん幅《はば》三尺ばかりなるを三四丁の間|敷《し》き連....
悠々荘」より 著者:芥川竜之介
て来たSさんはそんなことを話して聞かせたりした。 そのうちに僕等は薄苔のついた御影石の門の前へ通りかかった。石に嵌めこんだ標札には「悠々荘」と書いてあった。が....
深夜の市長」より 著者:海野十三
をかけた。それは難なく開いて、懐中電灯の光は、下の方に下りるように設けられている御影石の階段をサッと照した。これを下りてゆけばいいのだった。 内庭の芝地の上に....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
ける時間は大体午前九時三十分に決っていて、必ず其の時間には紋切型に氏の長身が太い御影石の門に現われるのでした。私は細田氏に拾われることを信じ乍らも万一他の御用聞....
蠅男」より 著者:海野十三
三丁目に、ちかごろ近所の人の眼を奪っている分離派風の明るい洋館があった。 太い御影石の門柱には、「玉屋」とただ二字だけ彫ったブロンズの標札が埋めこんであったが....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
かった。また例のが始まったと、彼女は苦笑しながら、靴の踵の踏み加減を試すために、御影石の敷石の上に踵を立てて、こちこち表門の方へ、五六歩あゆみ寄った。 門扉は....
東京要塞」より 著者:海野十三
とめて探しまわった結果、S公園内に建てるということに決った。そして大急ぎでもって御影石の台石を作ることになった。 東京市内では、この忠魂塔のことでよるとさわる....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
いたり。 あそびなかまの暮ごとに集いしは、筋むかいなる県社|乙剣の宮の境内なる御影石の鳥居のなかなり。いと広くて地をば綺麗に掃いたり。榊五六本、秋は木犀の薫み....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
の祖先も曽祖父も銅像がたてられました。けれども赤襷をかけて戦争中出征致しました。御影石の台だけが、お寺のある山にのこっております。雨のふる中を誦経しながら銅像を....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
がありそうにも思われなかった。寒気は近ごろ非常に厳しいので、氷の上に降り積む雪が御影石のように固くなっている。こんなことさえなければ、船長の足跡ぐらいはすぐに見....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ことで、特に明治の煉瓦を集めて十三|間の塀を作り、二尺五寸に三尺六寸の横長の黒|御影石を嵌めこみ、それに永井荷風氏が「沙羅の木」の詩を書かれたのです。その傍には....
棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
す。そして広々とした石段の向うに、どっしりした冠木門がそびえています。苔の生えた御影石の敷き石の両側に恰好のいいどうだんを植えて、式台のついた古風な武家づくりの....
釜沢行」より 著者:木暮理太郎
々に向けずにはいられなかった。 これから子酉川の河原を遡らなければならぬ。白い御影石の河原は、初夏の日光に照りはえて、ぎらぎらと陽炎が燃えている。青葉に慣れた....