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「御恩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御恩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
がまき起りますと、その風の中に何かいて、 「髪長彦さん。難有《ありがと》う。この御恩は忘れません。私は食蜃人にいじめられていた、生駒山の駒姫《こまひめ》です。」....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
んでに命も取られる所を、あなた様の御かげによって、落ち延びる事が出来ました。その御恩を思いますと、あなた様の仰有《おっしゃ》る事に、いやと申せた義理ではございま....
或る女」より 著者:有島武郎
すという事でしょうよ。これまでのあなたのお心尽くしでわたしはもう充分。またいつか御恩返しのできる事もありましょう。……それではこれで御免くださいまし。お妹御《い....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
時、あれの父親は白砂に領伏し、波の裙を吸いました。あわれ竜神、一命も捧げ奉ると、御恩のほどを難有がりましたのでござります。 公子 (微笑す)親仁の命などは御免だ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
の鬼畜、怯弱の微輩。馬蛤の穴へ落ちたりとも、空を翔けるは、まだ自在。これとても、御恩の姫君。事おわして、お召とあれば、水はもとより、自在のわっぱ。電火、地火、劫....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
別以来、三年、一千有余日、欣弥、身体、髪膚、食あり生命あるも、一にもって、貴女の御恩…… 白糸 (耳にも入らず、撫子を見詰む。) 撫子 (身を辷らして、欣弥のう....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
て、「かように穢いものなれば、くどくどお礼など申して、お身近はかえってお目触り、御恩は忘れぬぞや。」と胸を捻じるように杖で立って、 「お有難や、有難や。ああ、苦....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
がの、あろう事か、慈悲を垂れりゃ、何とやら。珠は掴む、酒の上じゃ、はじめはただ、御恩返しじゃの、お名前を聞きたいの、ただ一目お顔の、とこだわりましけ。柳に受けて....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、あの方もお可哀そうに、もう活きてはおられません。あなたを慕って下さるなら、私も御恩がある。そういうあなたが御料簡なら、私が身を棄ててあげましょう。一所になって....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ほんにの、お婆さん。」 「今度いよいよ長者どのの邸を出さっしゃるに就いて、長い間御恩になった、そのお礼心というのじゃよ。何ぞ早や、しるしに残るものを、と言うて、....
黒百合」より 著者:泉鏡花
、私は一ヶ所|擦剥きました処もございません。たとい前の世の約束事でも、これまでに御恩を受けますことはないのでございます。どうぞ私を打遣ってお逃げなすって下さいま....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ろと慰めてくだされた、あの心尽しは今もうれしい思い出の一つとなって居ります。その御恩がえしというのでもありませぬが、こちらの世界で私の力に及ぶ限りのことは何なり....
多神教」より 著者:泉鏡花
が、お霜婆さんの、ほれ、駄菓子屋の奥に、ちらちらする、白いものがあっけえ。町での御恩人ぞい。恥しい病さあって隠れてござるで、ほっても垣のぞきなどせまいぞ、と婆さ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
お夏さんの勝山という家は、私の亡くなりました父爺が、船頭で、奉公人同様に久しい間御恩になったのでございました。 さあ、それから米坊をかつぎ込んで、ちょうど縁端....
式部小路」より 著者:泉鏡花
兼帯のおもり役。 とここまで……愛吉にお賤が言って聞かせて、見なさい、そういう御恩人だ、といっても、奴泡を吹いて、ブウブウの舌を引込ませない。 日本一のお嬢....