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御所車
「御所車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御所車の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ていたが、この娘の白粉気のない清潔な皮膚には、遠いノスタルジアがあった。 紫の
御所車のはいった白地の浴衣に、紫の兵児帯――不良少女じみて煙草を吸っていても、何....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ったか」 「藻……。藻がきょうもここへ見えたか」 「おお、半刻ほども前に、見事な
御所車に乗って来た。おれは車を降りるところを遠目に覗いたが、今は玉藻と名が変わっ....
「好人物」より 著者:豊島与志雄
れた。わたしに内緒のつもりではあるまいが、わたしのいないところでくれたのである。
御所車の美しい刺繍のある立派なものだ。それを見てわたしは、あの人がわたしには嘗て....
「塩花」より 著者:豊島与志雄
物を貰ってきましたよ。」 子供相手に、彼女はひどく嬉しそうだった。胸元や、帯の
御所車の刺繍から、ちょっと埃を払っただけで、まだ藁屑をそこらにつけたまま、持って....
「花ふぶき」より 著者:豊島与志雄
のが、やはり千代だった。 相変らず臙脂系統の衣類だが、いつものと違って、大きな
御所車の模様が浮き出している。首が短くて髪はひっつめで、顔は一見して白痴の相だ。....
「両面競牡丹」より 著者:酒井嘉七
申す、新しい唄とか、踊とかの類ではなく、昔のままの、古い三味線唄、いわば、春雨、
御所車、さては、かっぽれ、と申しますような唄や、そうしたものの踊りの師匠だったの....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
んな狭っくるしい竹藪ん中で遊んだって、ちっとも面白かねえや! 都へ行きゃ、綺麗な
御所車が一杯通ってるんだぞ! 偉い人はみんな車に乗って御殿に行くんだ! 綺麗な着....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
がね、内裏様が一対、官女が七人お囃子が五人です、それについた、箪笥、長持、挟箱。
御所車一ツでも五十両したッていいますが、皆金蒔絵で大したもんです。 このお雛様....
「切支丹転び」より 著者:田中貢太郎
ったと云いますよ」 「昨日小田原から戻った人の話に、天狗のように鼻の高い異人が、
御所車のような車に乗って、空をふうわりふうわりと東から西に向って通っていたと云い....