御曹子[語句情報] » 御曹子

「御曹子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御曹子の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
点の人為的なる技術。ヴィナスの結婚は仕合せであった。ますらおこそはジュピタア様の御曹子《おんぞうし》、雷電の征服者ヴァルカンその人であった。キュウピッドという愛....
草枕」より 著者:夏目漱石
」とつけてある。「正一位《しやういちゐ》女に化けて朧月《おぼろづき》」の下には「御曹子《おんざうし》女に化けて朧月」とある。真似《まね》をしたつもりか、添削《て....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
国際語だから、なあんて友達のやつひでえことを言いますよ。あははははは。」ところが御曹子。外国語がぺらぺらである。 O教授。K大学法学部の若い先生。しきりに沿線....
星女郎」より 著者:泉鏡花
活けるがごとき大盗賊の風采を、車の上からがたがたと、横に視めて通った事こそ。われ御曹子ならねども、この夏休みには牛首を徒歩して、菅笠を敷いて対面しょう、とも考え....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ら、次第さがりに人なだれを打って来た。弁慶の長刀が山鉾のように、見える、見える。御曹子は高足駄、おなじような桃太郎、義士の数が三人ばかり。五人男が七人居て、雁が....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
もまったく驚く顔色もなく買ってくれた。 独身の若者には華族であろうと大金満家の御曹子であろうと挨拶されてもソッポを向くこと、話しかけられてもフンとも返事をしな....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
め、木々彦も一枝も招かれて、この三名だけがお客様であった。もっとも、分家として、御曹子の誕生日に奉祝の意を表しに現れるのは当然でもあったのである。 覆面を脱ぐ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ですが、それはなんというウチですか」 「羽黒公爵家。私の会いたいお方は、公爵家の御曹子英高氏夫人元子さま。もとは浅馬伯爵家の令嬢で、女学校では私の上級生、私を妹....
雪の宿り」より 著者:神西清
しく申上げるまでもなく、かねてお聞及びもございましょう。右兵衛佐殿(斯波義敏)の御曹子で、そののち長禄の三年に、義政公の御輔導役|伊勢殿(貞親)の、奥方の縁故に....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ざと素よみの口の裡で、一歩、二歩、擬宝珠へ寄った処は、あいてはどうやら鞍馬の山の御曹子。……それよりも楠氏の姫が、田舎武士をなぶるらしい。――大森彦七――傍へ寄....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
イが奈辺いかなるところにあるかは察するに難くないが、いずれにしても氏は財閥住友の御曹子であって浮世のせち辛さを知らないいわゆるお坊ちゃんと見るべき人である。それ....
柳生月影抄」より 著者:吉川英治
だましいといい、総じてどこか重厚で、これは明らかに、又十郎宗冬の敵ではない。 「御曹子」 大機は、声をかけた。 「――止めようか」 「なに」 「せっかく、ここ....