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御湯
「御湯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御湯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
った。今夜は旦那《だんな》様が御帰りにならないから、好いようなものだけれど、――
御湯は? 婆や。」
「もうよろしゅうございますとも。何ならちょいと私が御加減を見....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
うと、僕もすっかりつまされてしまってね、すぐに待合をとも考えたんだが、婆の手前は
御湯へ行くと云って、出て来るんだと聞いて見りゃ、川向うは少し遠すぎるし――と云っ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
し》の代りに顎《あご》の下を梳《す》くと、果して薄黒いものが股について来た。 「
御湯に御這入《おはい》んなさらないからですよ」 「なに埃だよ」 「だって風もない....
「行人」より 著者:夏目漱石
を撫《な》でていた。
「もう済んだんですか」
「ええ。どこへいらっしゃるの」
「
御湯へ這入ろうと思って。お先へ失礼してもよござんすか」
「さあどうぞ」
自分は....
「京に着ける夕」より 著者:夏目漱石
ているんだと冷笑するかも知れぬ。子規は冷笑が好きな男であった。 若い坊さんが「
御湯に御這入《おはい》り」と云う。主人と居士は余が顫《ふる》えているのを見兼て「....
「門」より 著者:夏目漱石
よ。だけど、兄さんも朝出て夕方に帰るんでしょう。帰ると草臥《くたび》れちまって、
御湯に行くのも大儀そうなんですもの。だから、そう責めるのも実際御気の毒よ」 「そ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ものはございませんが」と細君少々厭味を並べる。迷亭は悟ったもので「いえ御茶漬でも
御湯漬でも御免蒙るんです。今途中で御馳走を誂《あつ》らえて来ましたから、そいつを....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
奥様は御器量を望まれて、それで東京から御縁組《おかたづき》に成ったと申す位、
御湯上りなどの御美しさと言ったら、女の私ですら恍惚《ほれぼれ》となって了う程でし....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
まして。――うちにおっても忘れる間《ま》はないのですけれども――年をとりますと、
御湯に行くのも退儀《たいぎ》になりましてね」 「時々は少し表をあるく方が薬ですよ....
「家」より 著者:島崎藤村
したねえ」と豊世は叔父に挨拶して、やがてお仙の方を見て、「お仙ちゃん、母親さんに
御湯でも進げたら好いでしょう。今夜は叔父さんが御着きに成るまいと思っていらしった....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
のあと繁《しげ》く、今は、阿弥陀沢村の一戸にまあたらしい白木の看板が掲がって――
御湯宿、藤屋。 内湯ではないから、客は、藤屋から山下駄をはいて、小みちづたいに....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ばすそうで。……ただ、もし、この頃も承りますれば、その上方の御老体は、今年当月も
御湯治で、つい四五日あとにお立ちかえりだそうでござりますが。――ふと、その方が御....
「水の女」より 著者:折口信夫
づのをひもとなる。おそらく湯棚・湯桁は、この神事のために、設けはじめたのだろう。
御湯殿を中心とした説明も、もはやせばくるしく感じだされた。もっと古い水辺の禊ぎを....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
通りで、典薬が手当も効を見ず、涙が出て留度が無かった。 されば本陣御着にても、
御湯浴、御召替、御食事など、お側小姓も、お付女中も、手の出しようが無い為に、異例....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
。とりあえず女は男を奥の座敷に招じ入れ、頻りに密談して居たが、やがて女は、女中を
御湯に行かせ、附近の料理屋で、二人前の料理をとって来るよう命じたそうです。 そ....