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御産
「御産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御産の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
どこかに何時でも仮装に近い弱点があるのを細君は能《よ》く承知していた。 「どうせ
御産で死んでしまうんだから構やしない」 彼女は健三に聞えよがしに呟《つぶ》やい....
「家」より 著者:島崎藤村
見せて、互に顔を見合せた。 「今年は私も三十三の厄年です……ひょっとすると今度の
御産では、正太さんの後を追うかも知れない……」 心細そうに言って、お雪は二階の....
「夢殿」より 著者:楠山正雄
お生みおとしになりました。召使いの女官たちは大さわぎをして、赤さんの皇子を抱いて
御産屋へお連れしますと、御殿の中は急に金色の光でかっと明るくなりました。そして皇....
「志士と経済」より 著者:服部之総
はば、屹度《きっと》閉密に相働き申すべき人物に御座候。同人は是れ迄薩州長州両国の
御産物交易の御取次に携り候正直なる者に御座候。」 第四に、火薬類も存分に仕入....
「古事記」より 著者:武田祐吉
る。 天地初發之時、於高天原成神名、天之御中主神、訓高下天云阿麻、下效此。次高
御産巣日神、次神産巣日神。此三柱神者、並獨神成坐而、隱身也。次國稚如浮脂而、久羅....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
で、鎌倉が知っただけでも、これで数回なのである。 しかも、いっこうに、 中宮
御産気 とは聞えて来ない。 いや御妊娠のもようだに窺われないのに、年々の大祈....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
各※。……倉奉行はちと職ちがいだが、凡事ではないらしい」 ここには、さきに宮中
御産祈祷の件で、その真相調べのため、鎌倉から派遣されていた武者所の雑賀隼人、長井....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ら高徳の聞えはあって、後醍醐に瑜伽灌頂の法をさずけ、元弘の元年には、例の“中宮|
御産の祈祷”と称し、北条調伏の呪いを行ったかどで、硫黄島流しとなった豪僧なのだ。....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
自分の運命をそうしてしまった。(昭和二十七年 晩秋 軽井沢にて) この第九巻「
御産の巻」は、ごさんの巻と読んでいただきたい。現代読みでは当然、おさんの巻と読む....
「山の人生」より 著者:柳田国男
昔話に化し去らんとしているが、秩父の三峯山では今もって厳重の作法があって、これを
御産立の神事というそうである。『三峯山誌』の記するところによれば、御眷属子を産ま....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
て最も痛切なる内容を有つ日本語の一つであった。農夫の立場から見れば、嫁取・聟入・
御産・元服・節季・正月などという語と同じ程度に、胸の轟きなしには用いることのでき....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
ラ、海を渡って筑前の大島でネンガラ、これも遊びかたは同じだが、注意すべきことには
御産のあった家の前で、子どもがこの木を組んで産屋というものを立てるという。しかし....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
条。産所村と『音曲道智編』にある。人形芝居で有名なところ。 伊予 温泉郡|味生村
御産所、これははたしていわゆるサンジョか否か疑わしいが、名前の類似から試みに掲げ....