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御符
「御符〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御符の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
をこらえながら、歯齦《はぐき》の見える微笑をした。
「帝釈様《たいしゃくさま》の
御符《ごふ》を頂いたせいか、今日は熱も下ったしね、この分で行けば癒《なお》りそう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いから俺の云うことをきいてくれ。お前はこれから手をまわして、この近所で池鯉鮒様の
御符売りの泊っているところを探してくれ。馬喰町じゃああるめえ。万年町辺だろうと思....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
わっているので、お豊はあわてて出来るだけの介抱をした。水をのませても、水天宮様の
御符を飲ませても、擦っても揺ぶっても、お直はもう正体がないので、彼女も途方にくれ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
さい」 「それは訳もないことです」 劉は太守の前にある筆や硯を借りて、なにかの
御符をかいた。そうして、机を一つ叩くと、忽ちそこへ五、六人の鬼があらわれた。鬼は....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ましたところ、大変によろこんでくださいました。道中が心配になりましたから、護りの
御符は白河家(京都|神祇伯)からもらい受けました。それを荷物に付けるやら、自分で....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
蘇鉄の実を煎じて飲ませたり、ご祈祷を枕もとであげてもらったり、不動岡の不動様の
御符をいただかせたり、いやしくも効験があると人の教えてくれたものは、どんなことで....
「縮図」より 著者:徳田秋声
く誰もいなかった。 「誰もいないの。」 「お母さんは巣鴨の刺ぬき地蔵へ行った。お
御符でも貰って来るんだろう。」 父親はそう言って仕事場を離れ、火鉢の傍へ上がっ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。其容子を見て居た人は、デカを可愛がる人であったので、デカを連れ込んで、水天宮の
御符など飲ましたが、駄目であった。
余は鶏柵内のミズクサの木の根を深く掘って、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
符をあげるから、夜になったら戸外に貼りつけて置きなさい」 劉もおどろいて二枚の
御符を貰って帰って、早速それを戸の外に貼って置くと、その夜半に女が来て、それを見....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
《せきた》てるから、狼狽《あわ》てて片端《かたはし》から及第のお呪《まじな》いの
御符《ごふう》の積《つもり》で鵜呑《うのみ》にして、而《そう》して試験が済むと、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
「はあ、私はまた、こんな恐怖え処に落着いていさっしゃるお前様だ。 怨敵退散の貼
御符かと思ったが。 何か、ハイ、わけは分ンねえがね、悪く言ったのがグッと癪に障....
「抱茗荷の説」より 著者:山本禾太郎
ことにありがたいお札であるから、これをご病人に飲ましてくれ、といって小さな金色の
御符を差し出した。ありがたやの父は、この霊験のあらたかそうなお札を押し頂き、あつ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ても、浦浜一体にその荒神を恐れました。また霊験のあらたかさ。可心は、黒島でうけた
御符を、道中安全、と頭陀袋にさしていた。 とんでもない。……女が洗っていたのは....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
を本堂へ上るときに手を引いたり、茶の湯の水汲みをやったりしていた。寺にはあやしい
御符という加持祈祷をした砂があってよく信者がもらいにやって来た。わずか五粒か六粒....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
もって加持をすると、忽ちここから優れたる清水が湧き出した。その水を掬んで口そそぎ
御符を戴かせたら、立派な男の児が生れたといって、その池の傍にある古木の柳の木は、....