御粗末[語句情報] » 御粗末

「御粗末〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御粗末の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
た時は、この娑婆気が最高潮に達した瞬間である。その瞬間に働く気はないかねと来た。御粗末などてらだが非常に旨《うま》く自分の心理状態を利用した勧誘である。だし抜け....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
」 「はい、はい」 爺は、周章《あわ》てて、引込んだが 「十二文で御座ります。御粗末様で」 右源太は、腰の巾着から小銭を出して、ばらばら腰掛けへ落して、編笠....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なに、お前様、小名浜《おなはま》の網旦那んとこんござらっしゃるのかね――みんな、御粗末にするなよ、網旦那んとこのお客様だあよ」 と、村の長老がこう叫び出したので....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
っぴき》がならない。 だが、鬼は鬼としても、こうして食い散らかした人間の骨を、御粗末ながら棺箱の中へ納めて置くというところに幾分の殊勝さがある。まして、こうし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
も枯れても道庵である、財閥にすがるというような卑劣心が兆《きざ》してはならない。御粗末ながら自分の旅は、自分の財布でまかなうよと、意地を張っている。その意地が怪....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、その代りに君の笠を貸して下さい」 「竹の饅頭笠《まんじゅうがさ》で、いやはや、御粗末なもので失礼ですが、お言葉に従いまして」 青年は、自分のかぶって来た饅頭....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
台骨《やたいぼね》が崩れるとすれば、その責任はいわゆる旗本にあるのだ。われわれも御粗末ながら、その旗本の末席を汚し来った一人とすれば、その責めを分たねばならない....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
しながらさきに挨拶に来た時より、打解けまして馴々しく、 「どうも行届きませんで、御粗末様でございます。」 「いや色々、さあずッとこちらへ、何か女中が御病気だそう....
それから」より 著者:夏目漱石
「平岡さんは思ったよりハイカラですな。あの服装《なり》じゃ、少し宅《うち》の方が御粗末過ぎる様です」 「そうでもないさ。近頃はみんな、あんなものだろう」と代助は....