御給[語句情報] »
御給
「御給〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御給の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
難有《ありがと》うございます。」
「その代り向う二十年の間は、一文《いちもん》も
御給金はやらないからね。」
「はい。はい。承知いたしました。」
それから権助は....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
来ならばそんな事は、恐れ多い次第なのですが、御主人の仰《おお》せもありましたし、
御給仕にはこの頃御召使いの、兎唇《みつくち》の童《わらべ》も居りましたから、御招....
「行人」より 著者:夏目漱石
物を云わなかった。しかもその時はちょうど午飯《ひるめし》の時で、その女が昔の通り
御給仕をしたのだが、男はまるで初対面の者にでも逢《あ》ったように口数《くちかず》....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
》り抜《ぬ》けた女とはどうしても思えなかった。この女は我々の立つ前の晩に、始めて
御給仕に出て来た。洋灯《ランプ》の影で御白粉《おしろい》をつけている事は分ったが....
「明暗」より 著者:夏目漱石
的に通じただけで、また宅《うち》へ帰った。
五十九
お時の
御給仕で朝食兼帯《あさめしけんたい》の午《ひる》の膳《ぜん》に着くのも、お延にと....
「門」より 著者:夏目漱石
ないんだか分らないほど、暗殺事件については平気に見えた。夜帰って来て、御米が飯の
御給仕をするときなどに、「今日も伊藤さんの事が何か出ていて」と聞く事があるが、そ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
ぎり》より寛永年中まで、吉原町の役目として、御評定所へ太夫遊女三人|宛《ずつ》、
御給仕に上りし也。此事由緒故実も有る事にやと、或とき予が老父良鉄に尋ねとひしに、....
「青春」より 著者:宮本百合子
あった。 跣足になって庭を掃いたり、昔風のポンプで水まきしたり、お客様のときは
御給仕役もまわって来た。久留米絣の元禄袖の着物に赤いモスリンの半幅帯を貝の口に結....
「千世子」より 著者:宮本百合子
にする様になっちゃあ素人が作ったのより不美味いものになっちまうんですよ、デモ若し
御給仕に来た女が自分の気に入ったら我慢するかも知れませんワ」 千世子は遊びぬ....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
がり箸を取るに頭思いの外に軽くて胸も苦しからず。隣りに坐りし三十くらいの叔母様の
御給仕|忝しと一碗を傾くればはや厭になりぬ。寺田寅彦さんと云う方は御座らぬかとわ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
角平が真剣にムッとしたから、新十郎はとりなすように話をかえて、 「あなた方の
御給金は?」 「給金なんてものはありませんや。四分六の歩合ですよ。私らが四分で。....
「日記」より 著者:宮本百合子
十二時五十二分のでかえることになさる。おいくさんが来る。丁度御飯のときだったので
御給仕なんかをして貰う。久しぶりで、御目にかかったので、珍らしいようなうれしいよ....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
中も、手の出しようが無い為に、異例では有るが本陣の娘、宿役人の娘など急に集めて、
御給仕だけはさせたのであった。 「駕籠の戸を笹尾が早う閉じたので、妾だけは目を痛....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
眼が言いました。 「時に御主人、われ等ここへ斯う参って、御家族にお目にかかり懇な
御給仕に預るのも何かの因縁です。折角の機会ですから娘御たちに三帰を授けてあげまし....
「監獄部屋」より 著者:羽志主水
小賄賂の意味で、出来る丈の珍味を並べたことだろう。今度は流石に今迄の様に変な女を
御給仕に出すことは差控えたらしい。 午後一時に総員広場に集れの布令《ふれ》が廻....