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御者
「御者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
人の婦人を囲みて、後《あと》よりもまた同一《おなじ》様なる漢来れり。渠らは貴族の
御者なりし。中なる三人の婦人等《おんなたち》は、一様に深張りの涼傘《ひがさ》を指....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
書見したりしが、このとき鈴の音《ね》を聞くと斉《ひと》しく身を起こして、ひらりと
御者台に乗り移れり。 渠の形躯《かたち》は貴公子のごとく華車《きゃしゃ》に、態....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
茲を立とうとすると先生は自分の馬車を貸して呉れた。馬車には先刻見た取り次の老人が
御者役を勤めて居る、察する所此の老人は先生の真の腹心だ、先生は猶幾分か余を疑い若....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
らしているとなると、少々張合いぬけの感じがしないでもない。 「フランス租界へ。」
御者にはただこう言っただけなのだが、上海の銀座通り大馬路を通りぬけて、二大歓楽場....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、大将軍は貨物自動車を運転し、大僧正が倉庫の番人をつとめているわけで、陸軍中将の
御者、大公爵の番頭、帝室歌劇団花形の売子、すべて由緒ある亡命者をもってハルビンは....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
士はどこまでもふるい英吉利国の紳士であり、角の太陽酒場から口を拭きながら出てくる
御者と執事と門番は、そのむかしワイルドのむらさきの円外套をわらった
御者と執事と門....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
わりました。いくらふんばってみても、そうしないわけにはいかなかったのです。そこで
御者がおっかけて行って、カレンをつかまえなければなりませんでした。そしてカレンを....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ちのこらずが、すぐといっしょにおどりださずにはいられないくらいでした。するうち、
御者と料理番のむすめも、つながっておどりだしました。給仕人もへや女中も、おどりだ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
んな船の上に乗ってしまうと、まもなく船をつないだ大づなは解かれて、船頭はかじを、
御者は手づなを取った。引きづなの滑車がぎいぎい鳴って、馬は引き船の道をカッパカッ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
言いつけた。きみょうな形の馬車で、上からかぶさっているほろの後ろについたはこに、
御者がこしをかけていた。あとでこれがハンサム馬車というものだということを知った。....
「灰だらけ姫」より 著者:楠山正雄
りっぱな馬にかわって、ねずみ色の馬車馬が六とう、そこにできました。けれども、まだ
御者がありませんでした。 「わたし行って、見て来ましょう。大ねずみが、まだ一ぴき....
「荘子」より 著者:岡本かの子
この時、大梁の方角から旅車の一つが轍を鳴らして来たが荘子の前へ来ると急に止まって
御者台の傍から一人の佝僂が飛降りた。近付いて来ると 「荘先生ではありませんか、矢....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
いと、私、用があるんですから。) 声を懸けると三人が三人、三体の羅漢のように、
御者台の上と下に仏頂面を並べたのが、じろりと見て、中にも薄髯のある一体が、 (用....
「審判」より 著者:カフカフランツ
タンが絶えず眼にはいってたまらなかった。いかにも職務大事といわんばかりに、廷丁は
御者台にすわろうとした。だがKは彼を追い払っておろした。Kが銀行の前に着いたとき....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
、せせッこましいそのみちの感じは、そのガタ馬車の、しば/\馬にむちを加える苛酷な
御者の、その腰にさびしく巻きつけられた赤い古毛布のいろがよくそれを語っていた……....