御茶[語句情報] » 御茶

「御茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
かしら。」 「お前はちっとも知らなかったの?」 「はい、その癖ここにさっきから、御茶碗を洗って居りましたんですが――やっぱり人間眼の悪いと申す事は、仕方のないも....
路上」より 著者:芥川竜之介
を袂《たもと》に揺《ゆす》りながら、立っているのを発見した。 「ちょいと上って、御茶でも飲んで行きませんか。」 「難有《ありがと》うございますけれど――」 初....
思い出の記」より 著者:小泉節子
客様のようになって、見たりなどして喜びました。地味な趣味の人であったと思います。御茶も好きで喜んで頂きました。私が致していますと、よく御客様になりました。一々細....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、御料人様衆、御小姓衆、御しょう堂様衆、御|同朋衆、御使者番、御右筆衆、御伽衆、御茶堂衆に至るまで、その数およそ五百人、座を圧して居流れていた。尚三十人の蜈蚣衆....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
れり。嘗て近江より買ひ入れたる白牛に、鞍鐙、猩猩緋の装束をなし、御頭巾、唐人笠、御茶道衆に先をかつがせて、諸寺社へ参詣したりといふ。更に侯の豪華なる、紅裏袷|帷....
少年時代」より 著者:幸田露伴
らぬことになりました。で、私を何所へ遣ったものでしょうと家でもって先生に伺うと、御茶の水の師範学校付属小学校に入るが宜かろうというので、それへ入学させられました....
旅行の今昔」より 著者:幸田露伴
だ尊大に構えるのが当世ですネ。ですから左様いう人が旅行をするのは何の事は無い、「御茶壺」になって仕舞うようなものですテ。ハハハハ。「御茶壺」というのは、むかし将....
風流仏」より 著者:幸田露伴
の勝手、殊更内金二十両まで取って使って仕舞った、変改はとても出来ぬ大きに御世話、御茶でもあがれとあくまで罵り小兎攫む鷲の眼ざし恐ろしく、亀屋の亭主も是までと口を....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
で彼は道を変え、根岸を指して走っていた。雉子町を通り、淡路町を通り、駿河台へ出て御茶ノ水本郷を抜けて上野へ出、鶯谷へ差しかかった。 左右から木立が蔽いかかり、....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
。 主人が主人で、出先に余り数はなし、母衣を掛けて護謨輪を軋らせるほど、光った御茶屋には得意もないので、洋傘をさして、抱主がついて、細かく、せっせと近所の待合....
入梅」より 著者:久坂葉子
も、離縁になったことも何ともない様子だった。私はそれから一時間、きまって十時頃、御茶をいれることの習慣を忘れて、ぼんやり坐っていた。作衛がかわいそうだったとおも....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
の横で野菜をきりかけたまま庖丁が放り出してあります。昔、その茶室で四季にかならず御茶会をしておりました。湯のたぎる音、振袖のお嬢さんや、しぶい結城などきた奥様の....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
、細いことにいちいち気付いて、若いものはしかられ通しであった。私の仕事は、掃除と御茶汲みと新聞をとじたり郵便物を整理したりの雑用であり、おもに秘書の命令で働きま....
鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
朝からうららかに晴れ渡って、川上の筑波もあざやかに見える。芝生の植え込みの間にも御茶屋というものが出来ているが、それは大きい建物ではないので、そこに休息している....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
が感心してみているのと一緒になって感心したのを覚えている。明治三十何年かの有名な御茶の水のおこの殺しが、じき見世物になり、おこのの血だらけの顔を表看板のかわりに....