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「御菜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御菜の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
――時に晩の御飯はあるかい」 「御飯だけはあります」 「御飯だけあればいい、なに御菜《おさい》はいらないよ。――頼んで置いた婆さんは明日《あした》くるそうだ。―....
坑夫」より 著者:夏目漱石
―寒いときは是非二枚|要《い》るから、都合で六銭と、それに飯代が一日十四銭五厘、御菜《おさい》は別ですよ。――どうです。もし坑夫にいけなかったら、掘子にでもなる....
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
いているような感じがした。三階に来た時、細い廊下の曲り角で一人の女が鍋《なべ》で御菜《おさい》を煮ているのに出逢《であ》った。そこには台所があった。化物屋敷では....
道草」より 著者:夏目漱石
哀《かわい》そうだ」 彼の実家のものは苦笑した。 御常はまた飯櫃《おはち》や御菜《おかず》の這入《はい》っている戸棚に、いつでも錠を卸《お》ろした。たまに実....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
とに曾呂崎の焚いた飯は焦《こ》げくさくって心《しん》があって僕も弱った。御負けに御菜《おかず》に必ず豆腐をなまで食わせるんだから、冷たくて食われやせん」と鈴木君....
琴のそら音」より 著者:夏目漱石
しかしそれだけじゃないのだからな。精細なる会計報告が済むと、今度は翌日《あす》の御菜《おかず》について綿密な指揮を仰ぐのだから弱る」 「見計《みはか》らって調理....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
旅籠でござります。座スクはツグの間付きの離れ造り、お米は秋田荘内の飛び切り上等、御菜も二ノ膳つきでござります。それで御泊り賃はたった百文、いかがでござります。エ....
」より 著者:島崎藤村
ないんですもの……贅沢だ、贅沢だと言う人から、すこし考えてくれなくちゃ――こんな御菜じゃ食われないの、何のッて」と言ってお倉は三吉の方を見て、「ねえ三吉さん、兄....
奥の海」より 著者:久生十蘭
中納言が乗っていると思え、というくらいのものである。 豆腐が好きで、何年となく御菜《ごさい》(出入り御用商人)から借りては食い、借りては食いしているうちに、塵....
間人考」より 著者:喜田貞吉
に、 一御切米四石、一御合力金弐両、一壱人扶持、一薪参束、一湯之木弐束、一油、一御菜銀拾弐両 右御半下 とある。その文字にはいかように書こうとも、言葉で下女....