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御蔵
「御蔵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御蔵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
一
お蓮《れん》が本所《ほんじょ》の横網《よこあみ》に囲われたのは、明治二十八年の初冬《はつふゆ》だった。
妾宅は
御蔵橋《おくらばし》の川に臨んだ、極《ご》く手狭な平家《ひらや》だった。ただ庭先....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
は、しだいに一つずつ、いつとなくすたれて、今ではただ一の橋から浜町へ渡る渡しと、
御蔵橋《みくらばし》から須賀町へ渡る渡しとの二つが、昔のままに残っている。自分が....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
分への残酷《ざんこく》めいた快感もあった。 柳吉と一緒に大阪へ帰って、日本橋の
御蔵跡《みくらあと》公園裏に二階借りした。相変らずヤトナに出た。こんど二階借りを....
「わが町」より 著者:織田作之助
んでもしたんか? そんなもん見つかれへんかったぜ」 「まあ、聴きイな」 彼女は
御蔵跡の下駄の鼻緒屋の二階に亭主も子供も身寄りもなく、ひとりひっそり住んでいる女....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
衆と称された、貴族の若殿の一団も、前髪姿で控えていた。 この他槍奉行、旗奉行、
御蔵奉行、御料人様衆、御小姓衆、御しょう堂様衆、御|同朋衆、御使者番、御右筆衆、....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
へ行けば西柏木門、そこから本丸へ行くことが出来た。どうしたものか本丸へは行かず、
御蔵門から西之丸の方へ、越前守だけを案内した。 これには深い意味があった。と云....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
上屋敷の女中かしらん、はてな何うして出たろう、此の掟の厳しいのに、今日のお客来で
御蔵から道具を出入れするお掃除番が、粗忽で此の締りを開けて置いたかしらん、何にし....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
った。どれほどの米穀を貯え、どれほどの御家人旗本を養うためにあるかと見えるような
御蔵の位置はもとより、両岸にある形勝の地のほとんど大部分も武家のお下屋敷で占めら....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
と三ツ門があって、米の出し入れをして、相場も此所できまる。浅草寺に向って右側で、
御蔵の裏が直ぐ大川になっており、蔵屋敷の中まで掘割になって船がお蔵の前に着くよう....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
丁目から向河岸への安宅の渡し、矢の倉と一ノ橋際間の千歳の渡し、須賀町から横網への
御蔵の渡し、待乳山下から向島への竹屋の渡し、橋場、寺島村間の白髭の渡し、橋場、隅....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
てござります。 公子 (親しげに)爺い、用か。 僧都 紺青、群青、白群、朱、碧の
御蔵の中より、この度の儀に就きまして、先方へお遣わしになりました、品々の類と、数....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
われている。「眉引」は眉墨を以て眉を画くことで、薬師寺所蔵の吉祥天女、或は正倉院
御蔵の樹下美人などの眉の如き最も具体的な例である。書紀仲哀巻に、譬如。古事記中巻....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
次であった。
意気は本所、仇は両国
うかりうかりと、ひやかせば
ここは名高き、
御蔵前
一足、渡しに、のりおくれ
夜鷹の舟と、気がつかず
危さ、恐さ、気味悪さ
....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
やすい職に活路を求めたのも少くはなかったであろう。文化九年の「阿波国海部郡多良村
御蔵穢多棟付御改帳」に、 一、壱家 乙石 ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
本の年中行事になったメイ・デイを思い出すのに違いない。 僕は昔この辺にあった「
御蔵橋」という橋を渡り、度々友綱の家の側にあった或友達の家へ遊びに行った。かれも....