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御負
「御負〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御負の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「香水紳士」より 著者:大阪圭吉
ひとつの疑惑が持上った。 「でも、もし軍人さんだったなら、どうしてそのように貴い
御負傷を、こんなに不自然にお隠しになるのだろう?」 ――そうだ、たとい、軍人さ....
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
を撲られては恩師十兵衛に対して甚《はなは》だ申訳の無いことであるし、第一三十人も
御負けをつけて贔屓《ひいき》にしてくれた講釈師に対しても全く済まぬ訳であるが、ど....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なことになってしまいました」
「あ、そうでしたか、それはどうもはや、左様な名誉の
御負傷とは存じませんでした、なみたいていの御病人だとばかり思っていたものでござい....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
人を呼ぶ奴は気味がよくない。山路で、黒闇《くらやみ》で、人っ子一人通らなくって、
御負《おまけ》に蝙蝠なんぞと道伴《みちづれ》になって、いとど物騒な虚に乗じて、長....
「琴のそら音」より 著者:夏目漱石
咎《とが》じゃないんだから埓《らち》はあかんよ」 「その上若い女に祟《たた》ると
御負けを附加《つけた》したんだ。さあ婆さん驚くまい事か、僕のうちに若い女があると....
「それから」より 著者:夏目漱石
。 「じゃ、買って来なくっても好かったのに。つまらないわ、回り路《みち》をして。
御負《おまけ》に雨に降られ損《そく》なって、息を切らして」 雨は本当に降って来....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
三層倍も勤勉《まめ》だ。頭から足からどこからどこまで実によく手落なく洗いますね。
御負《おまけ》に楊枝《ようじ》まで使って。あの綿密な事には僕もほとんど感心しちま....
「門」より 著者:夏目漱石
ては、「買っておくれ」という言葉をしきりに繰り返した。そりゃ高いよいくらいくらに
御負けなどと云われると、「値じゃねえね」とか、「拝むからそれで買っておくれ」とか....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
は非常に感心する。「僕より、あの女の方が上《う》わ手《て》でさあ」「あなただって
御負けなさる気遣《きづか》いはありません」「しかし奥さん、僕の法螺は単なる法螺で....
「源氏物語」より 著者:紫式部
る。そして六条院における宮の御生活とおおぜいの女房、男女の召使に要する費用は院の
御負担とお決めになったのである。 秋になって院は尼宮のお住居の西の渡殿の前の中....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
母上をお迎えしても、いつまた、いかなる変を見まいものではなく、それがまた、兄者の
御負担になりはいたしませぬか」 「いや。わしとおまえとの、兄弟の心次第だろう。そ....