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御陰
「御陰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御陰の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火」より 著者:横光利一
引いて満足しておいた。 村端まで来て、道の片側に沿って流れている小川にかかった
御陰石《みかげいし》の橋を見た時、米は此処が最も楽書するのに適していると思った。....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
国熊野の有馬村に葬る。『古事記』には火之迦具土神《ひのかぐつちのかみ》を生ますに
御陰《みほと》炙《や》かれて崩りましぬ。尊を葬ったてふ花の窟または般若の窟土俗オ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あなた様のために残し、御身は何物をも持つことなくして生涯を終りになりました。この
御陰徳がいつの世か報い来らぬことの候べき――豊臣は亡び、徳川は衰えるとも、毛利の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ヤッタラ、悦ンデ受取ッタ、ソレカラ一年半カカッタラ、五六百人ニナッタ、全クオレガ
御陰ダカラ当年ハ十月亥ノ日ニ、神前ニテ十二座ノ跡デ踊リヲ催シテ神イサメヲシタイト....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
々も何ほどか新参扱いにしなかった。なお一つには父が枢要の位置に居るということにも
御陰を蒙っていたのであろう。父もその時やはり世子の御供をして、目付と側用達とを勤....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
。 「まあお前、今日はどうかして居るね。 「もうとっくに如何うか仕て居ますよ、
御陰様で。 ねえ、お内儀さん、 彼の重三って人を貴女は後とりに定めたんですか....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
のところへ行き、坂尾丹兵衛流というのはどんなものだと聞いてみると、坂尾というのは
御陰一刀流の達人で流儀の極意を魚釣りにうつしたのだという。……はなしがここまでわ....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
吾人の精神状態は従って変ると見える。これ畢竟神の片影なる穂高ちょう、理想的巨人の
御陰だろうとしみじみ感ぜられた。 標高千米突内外の筑波や箱根では、麓で天候を予....
「イエスキリストの友誼」より 著者:新渡戸稲造
と思う。 私は御覧の通り立派な者でも何でもないが好い友達があったためにこの夏も
御陰で涼しい白地の服を着て赤い衣を着ることだけは免れている。今これらのことを考え....
「古事記」より 著者:太安万侶
名をホノカグツチの神といいます。この子《こ》をお生みになつたためにイザナミの命は
御陰《みほと》が燒かれて御病氣になりました。その嘔吐《へど》でできた神の名はカナ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
は、かれの頭巾を検めてみねば」 というと、侏儒は心得たさまで、 「もう徳島城の
御陰謀も、幕府のほうへ知られました今日、ほかの、小さな秘密を固持する必要はござい....