御難[語句情報] » 御難

「御難〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御難の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
の島へ渡った当座、毎日|忌々《いまいま》しい思いをしていた。」 「それはさぞかし御難儀《ごなんぎ》だったでしょう。御食事は勿論、御召し物さえ、御不自由勝ちに違い....
婦系図」より 著者:泉鏡花
にてらてらと艶が見えた。 背は高いが、小肥に肥った肩のやや怒ったのは、妙齢には御難だけれども、この位な年配で、服装が可いと威が備わる。それに焦茶の肩掛をしたの....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
) 片山家の暮れ行く風情、茅屋の低き納戸の障子に灯影映る。 学円 この上、晩飯の御難題は言出しませんが、いかんとも腹が空いた。 百合 ほほ。(と打笑み)筧の下に....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
奥まった処に籠切りの、長年の狂女であった。――で、赤鼻は、章魚とも河童ともつかぬ御難なのだから、待遇も態度も、河原の砂から拾って来たような体であったが、実は前妻....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
御心配でありましょう。」 「へい、その事に就きまして、唯今はまた飛んだ手前勝手な御難題、早速|御聞済下さいまして何とも相済みませぬ。実は私からお願い申しまする筈....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あらいのと、私がこのごろ景気が悪いんで、方々に無理な借金はできる。この歳の暮は大御難で、あいつも少し自棄になっているようですから、仕方なしにお守をしながら午過ぎ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
あげて、声を限りにわあッと叫んで了いました……。後で御伺いすると、あの場合、命が御難儀を脱れ得たのは、矢張りあの御神剣のお蔭だったそうで、燃ゆる火の中で命がその....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
し、家具を備え、衣類を買うことができた。 昭和十三年に私が発病してからは彼女の御難時代で、ことに現在では当時の半分しか収入がないうえに、物価が百倍にもなつたた....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
うものをこねあげて渡したら、大枚百円なりを即金でもらつた。 何しろ台湾巡業中は御難つづきでこづかいもろくにもらえず、文字どおりたばこ一本を奪いあうような生活を....
『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
れには尠からず悲観したが、僕は今も尚この作について自信を持っている。 『らんぷや御難』は「拓けゆく電気」に書いたもの。これは卑近な生活の中に、科学を織りこんだも....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
でござります」と、母は井戸の底を覗いた。「ほんに深いこと、これでは朝夕がなかなか御難儀でござりましょう」 困るとはいうものの、御用のない時には奴達が手伝って汲....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
たる大刀をまで、何者にか奪われたのだ。 「まあ、私をお助け下さる為に、旦那様に此御難儀を掛けまして、申訳が御座りませぬ」と小虎まで蒼く成った。 「藻切りに心奪わ....
歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
お目に掛れる身でないのを知りながら、お面を被ってお訪ねしました。――ほんに飛んだ御難儀、お腰などおさすりしたい心でござんす」 黙って眼を閉じていた歌麿は、そう....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
いたすもの、見受け申せば、我等と同じ日蓮宗の御様子なり。戸のお札をさえ見掛けての御難題、坊主に茶一つ恵み給うも功徳なるべし、わけて、この通り耳も疎し、独旅の辿々....
世間師」より 著者:小栗風葉
だね。するとじきまた、白いのがチラチラ降るようになるんだ。旅を渡る者にゃ雪は一番御難だ。ねえ君、こうして私のように、旅から旅と果しなしに流れ渡ってて、これでどこ....