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御飯粒
「御飯粒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御飯粒の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狂人は笑う」より 著者:夢野久作
その時ドレ位泣いたか知れやしないわ。そうしてね、余り可哀そうですから、頂き残りの
御飯粒で、モト通りに貼ってやりましょうと思った序に、何の気も無しに、その切端の新....
「三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
にたべましょうね」 とよって来た。年の少いてる子は、快活で、弁当箱のふたについた
御飯粒を箸の先で拾いながら、 「あらいやだ、母ちゃんがまたこれ入れている、私末広....
「伸子」より 著者:宮本百合子
たことには、そこに御飯つぶのようなものが沢山あった。蟻があわてて駈け廻って、その
御飯粒をくわえ、サワサワ音が聞えそうに、足を動かして逃げ出した。 思いがけない....
「父」より 著者:金子ふみ子
と子であった。ある日の事である。私たちは何も食べるものがなかった。夕方になっても
御飯粒一つなかった。そこで母は、私と弟とをつれて父を訪ねて行った。父はお友だちの....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
から一番さきにしまいになる。すると、長い煙管《キセル》をついて監視人と早がわり、
御飯粒ひとつでもこぼすと、その始末をしてしまわないうちは食べさせない。あたしは味....
「追憶」より 著者:宮本百合子
てたら触れそうに感じられた。 静かに分けて行くと、黒い丸い小さい実をつけたり、
御飯粒の様な凋んだ花を付けた高い草が私の胸の所で左右に分れて、ブーンと風音をたて....
「黒馬車」より 著者:宮本百合子
中は、主婦がだまって居ると、涼しい様にと、冷しすぎたものを持って行ったり、重湯に
御飯粒を入れたり仕がちであった。可愛がって、自分の子を殺して仕舞う女はこんなんだ....
「黒点」より 著者:豊島与志雄
何かしら興奮してるようだった。しょぼしょぼした眼をいつもより大きく見開いて、妹が
御飯粒や醤油《おしたじ》を少しでもこぼすと、すぐにがみがみ叱りつけた。かと思うと....
「夢の図」より 著者:豊島与志雄
ろう。子供の病気は何よりも不自然であり、子供の節食は何よりもいたいたしい。重湯に
御飯粒がいくつか浮いてるのを、持ってこられると、彼はいきなり起きあがって、寝床の....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
に坐らせた。お浜はみんなのお給仕をしながら、たえず次郎に気を配って、彼のこぼした
御飯粒を拾ってやっては、それを自分の口に入れた。 お副食は干鱈と昆布の煮〆だっ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
人が『ナーニおかみさん、御心配には及びませんよ。おはつさんは釜や飯櫃にくっついた
御飯粒や種子飯(パンの発酵素をつくる)の残りを集めて煮てたべているのですよ』と代....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
たでず》と申すのは鰺を一度塩焼にしておきます。別に蓼の葉を摺鉢で摺って少しの塩と
御飯粒とを加えてまたよく摺ったものへ酢と煮切り味淋とを入れてのばしてそれで鰺を食....
「教育家の教育」より 著者:新渡戸稲造
方は大抵この人形を持っておられる。その所以はこの人形を食事ごとにお膳の上に置き、
御飯粒を三粒なり四粒なり取って百姓の笠の上に載せて暫く黙念する、この御飯は百姓の....