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御館
「御館〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御館の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
と斑《ぶち》と二匹の犬を小脇にかかえて、飛鳥《あすか》の大臣様《おおおみさま》の
御館《おやかた》へ、空から舞い下って来た時には、あの二人の年若な侍たちが、どんな....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
た。 同じく文久元年十月十五日に藩公から翁に御用召があったので、何事かと思って
御館へ罷出たところ御月番家老黒田大和殿から御褒美があった。すなわち「利春事、家業....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
横坐りに、蝋燭火へ紙火屋のかかった灯の向うへ、ぬいと半身で出た工合が、見越入道の
御館へ、目見得の雪女郎を連れて出た、化の慶庵と言う体だ。 要らぬと言えば、黙然....
「死者の書」より 著者:折口信夫
かった。其があの、近江の滋賀の宮に馴染み深かった、其よ。大和では、磯城の訳語田の
御館に居られたお方。池上の堤で命召されたあのお方の骸を、罪人に殯するは、災の元と....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
妹の義女もつれて行く。同じ様な白拍子二人、すっかりで四人、一つ車にのって西八條の
御館へ行く。入道は、先の内よばれた所よりズット下った所に坐をとって置かれた。「コ....
「錦木」より 著者:宮本百合子
たかさ、夢から現にかえったように、今更事々しく人の口葉にのぼる花見の宴をはる東の
御館と云うのは、この里の東の方を一帯にのこって居るみどりの築土あるのがそれ、東の....
「胚胎」より 著者:宮本百合子
ぞと云う目あてものうて朝早くから飛び出《いだ》いた。神の御社を下に見ながら大きな
御館の上を越して飛んでまいるうちに天気が急にかわっていかい大風になって参ったので....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
りと高いよう。 その気おのずから、脳天を圧して、いよいよ頭を下げ、 「は、当|
御館におかせられましては、このお庭の紅葉を、諸人に拝見の儀お許しとな、かねがね承....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
せし安倍貞任の祖先のごとき、またその一なるべきか。仙北の首領清原氏、平泉に拠りし
御館藤原氏また実に俘囚をもって目せられたりしものにして、ことにその藤原清衡のごと....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
来た事情を詳述したのであった。頼朝がこれを希望したのは、奥州における俘囚の長たる
御館藤原氏が、院宣を奉じて頼朝の背後を窺うのに対して、これを討伐すべき適当なる名....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
顔を合せなかったが、その朝、彼の棟をぶらりと訪れて、 「小次郎どの。――きのうも
御館から退がろうとすると、忠利公がまだかと、其許のご催促じゃ。どうじゃな、お弓場....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
のころ。 領下の農家全般へ布令が廻った。足達者なものはよい銭稼ぎを与えようぞ、
御館の丘へ集まれ、とのこと。 なるほど、籾倉の前には、銭俵が裂いてあった。――....