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御馬
「御馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
する。その夜《よ》は急に雪になりましたゆえ、わたくしは傘《かさ》をかざしながら、
御馬場《おばば》の下を通りかかりました。ちょうどまた伴《とも》もつれず、雨着《あ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
しなすったお手紙なんです。 馬丁はしていたが、貞造はしかるべき禄を食んだ旧藩の
御馬廻の忰で、若気の至りじゃあるし、附合うものが附合うものですから、御主人の奥様....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
矢柄喜兵衛という男があった。名前はなんだか老人らしいが、その時はまだ十九の若侍で
御馬廻りをつとめていた。父もおなじく喜兵衛といって、せがれが十六の夏に病死したの....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
を募集し、秀頼自ら巡視した。「茜の吹貫二十本、金の切先の旗十本、千本|鑓、瓢箪の
御馬印、太閤様御旗本の行列の如く……」と、『大阪御陣覚書』に出ている。 だが、....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
こで、幸村は毛利勝永と議して、愈々秀頼公の御出馬を乞うことに決した。秀頼公が御旗
御馬印を、玉造口まで押出させ、寄手の勢力を割いて明石が軍を目的地に進ましめること....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
し上げればよいのですかと伺いを立てたそうです。その時の別当の言い草がいい――御召
御馬と言え、それからこの御召
御馬は焼酎を一升飲むから、そう心得ろですとさ。」 ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
と思うほどのやむにやまれない熱い情が一時に胸にさし迫った。彼は近づいて来る第一の
御馬車を御先乗と心得、前後を顧みるいとまもなく群集の中から進み出て、そのお馬車の....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
いおり》、何の風情も無く侘しうは候が、何彼《なにか》と万端御意を得度く候間、明朝
御馬を寄せられ候わば本望たる可く、粗茶進上|仕度《つかまりたく》候、という慇懃《....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
着の遅いばかり気になされて、老人が、ここに形を消せば、瞬く間ものう、お姿見の中の
御馬の前に映りまする神通を、お忘れなされて、老寄に苦労などと、心外な御意を蒙りま....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
剣は少々稽古していたなれども、槍は少しも習っていない。その習わぬ槍を揮って世子の
御馬前を警護して敵と戦わんとしたのは、今から思えば馬鹿々々しい次第である。されど....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
ので主上は御書を御書き遊ばして給い「料の馬に乗って行け」と仰せになったので仲国は
御馬を給わって明月に鞭をあげてあてもなくあこがれて行く。おじかなく此の山里と詠じ....
「近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
た。金千代は、左手で、女の肩を抱いて 「今度は、上方の流行唄だ」 宮さん宮さん
御馬の前で ひらひらするのは何んじゃいな。 「誰だ」 隣りの部屋から、怒鳴《....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
ばかりなく候へば、いづくにて死に候とも、墓をば身延の沢にせさせ候べく候。又栗毛の
御馬はあまりにおもしろく覚え候程に、いつまでも失ふまじく候。常陸の湯にひかせ候は....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
いて見ました。そこらの人たちが並んでいます。赤筋の這入った服の騎兵が、鎗を立てて
御馬車の前後を警固して行きます。騎兵の人々に遮られて、よく拝されません。やがて皇....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
図)に秋は早くも立初《たちそ》め、榧寺《かやでら》の高燈籠《たかとうろう》を望む
御馬屋河岸《おんまやがし》の渡船《とせん》(中巻第六図)には托鉢《たくはつ》の僧....