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「御髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
》いよ久しぶりにと誘《いざ》なった。髪結《かみい》は是非御上げ遊ばせな、私始めて御髪《おぐし》を拝見した時から束髪《そくはつ》にしていらっしゃるのはもったいない....
明暗」より 著者:夏目漱石
伝いをしていたもんですから」 「何の?」 「お部屋を片づけてね、それから奥さんの御髪《おぐし》を結《い》って上げたんですよ。それにしちゃ早いでしょう」 津田は....
旧主人」より 著者:島崎藤村
むのも悦《うれ》しいとは思召さないのでした。これが他の殿方ででもあったら、奥様の御髪《おぐし》を掻廻《つかみまわ》して、黒|縮緬《ちりめん》の御羽織も裂けるかと....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
んでも、 鳥が木の間《ま》に歌うても、まだ眼に残る幻影《まぼろし》は、 白い御髪《おぐし》に白い肌、月の御顔《おんかお》雲の眉《まゆ》、 世にも気高い御姿....
髪切虫」より 著者:夢野久作
給ひ 此上もなく 興がらせつゝ 黄金にも たとへ難かる御髪を あたへ給ひて 啄ばませ 喰ませ給ひて カヤ....
風流仏」より 著者:幸田露伴
思いましたが、それも出来ねばせめては心計、一日肩を凝らして漸く其彫をしたも、若や御髪にさして下さらば一生に又なき名誉、嬉しい事と態々持参して来て見れば他にならぬ....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
れていないのが、まだしもであった。 蜀紅の錦と言う、天蓋も広くかかって、真黒き御髪の宝釵の玉一つをも遮らない、御面影の妙なること、御目ざしの美しさ、……申さん....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
差覗かせたまうお姿は、御丈八寸、雪なす卯の花に袖のひだが靡く。白木|一彫、群青の御髪にして、一点の朱の唇、打微笑みつつ、爺を、銑吉を、見そなわす。 「南無普門品....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
なす。」…… ただこの観世音の麗相を、やや細面にして、玉の皓きがごとく、そして御髪が黒く、やっぱり唇は一点の紅である。 その明神は、白鷺の月冠をめしている。....
源氏物語」より 著者:紫式部
っていなかったのを、無理あそばして御挙行になった姫宮のお裳着の式から三日目に院は御髪をお下ろしになったのであった。普通の家でも主人がいよいよ出家をするという時の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
で、みかどのお声がしていた。「……廉子を呼べ」と、仰っしゃったようである。浴後の御髪やおん衣の奉仕に侍いていた女官のひとりが、 「はい」 と、后町の方へ、スリ....