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復誦
「復誦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
復誦の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「花燭」より 著者:太宰治
そかにあれこれと組み直し、やっと整理して、さいごにそれをもう一度、そっと口の中で
復誦してみて、それから言い出した。「芸術の制作衝動と、日常の生活意慾とを、完全に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ども、妙に口にするのを阻むような力を持っていた。続いて、引き摺られたように検事も
復誦したのだったが、その声がまた、この沼水のような空気を、いやが上にも陰気なもの....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
。つまり、私は、くたくたになって横たわった儘《まま》何時間も、昼の労働の精神的|
復誦《ふくしょう》をやってのける訳だ。夢の中でも、私は、強情な植物共の蔓《つる》....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
電文は簡単である。だが簡単な中に、ひじょうにすごい響きがある。山岸少年は、電文を
復誦した。一字もまちがいはない。中尉が「よし」というのを聞いて、ただちに電鍵をた....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ついて訓令するところがあった。 「――分かったな」 「はい」 と空曹長は早口に
復誦した。 「よろしい、出発。武運を祈る」 「はっ、では行ってまいります」 と....
「空襲警報」より 著者:海野十三
只今関東地方一帯に空襲警報が発せられました。直ちに非常管制に入って下さい。……
復誦いたします。只今……」 そのとき、サイレンが、ブーッ、ブーッと間隔をおいて....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
人の女と同じことを相談していたのかね。ここへ夢之助をよんでくるが、君は今の言葉を
復誦するだろうね」 「いえ。ちょッと待って下さい。たしかに二人じの女と同じことを....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
豪快な音をたてて笑いだした。 「母なき子あわれ。母ある子幸あれ」 老人は大声で
復誦して、また一しきり笑いたて、 「多少の詩心はあるとみえる。だが、あさはかな奴....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
玉子の白味一つ。 今、スワンソン夫人に命令された給仕男は鸚鵡返しにその通り
復誦する。これは朝飯の「カクテール」と呼ばれているものであって、美髪師「マダム・....
「皇帝の使者」より 著者:カフカフランツ
ささやいた。皇帝にとってはその伝言がひどく大切だったので、使者にそれを自分の耳へ
復誦させたのだった。うなずいて見せることで、皇帝はその
復誦の言葉の正しさを裏書き....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
。首斬役人は彼の前に膝まずき、彼の許しを乞うた。彼は許した。僧職たちは「信経」の
復誦を彼に要求した。彼はそれをやって退けた。一句一句を順々に反復したのだった。彼....