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微々
「微々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
微々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
就任の時(一八五七年心得、一八五八年総長)はなお陸軍大臣の隷下に在って勢力極めて
微々たるものであった。一八五九年の事件に依って信用を高めたのであったけれども、一....
「取舵」より 著者:泉鏡花
あ。」 渠は頸を延べ、耳を欹てて誨を俟てり。答うる者はあらで、婦女の呻く声のみ
微々と聞えつ。 渠は居去りつつ捜寄れば、袂ありて手頭に触れぬ。 「どうも、はや....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
、あるいはやっと緒につこうとしつつあるところであったりして、その収容力はまことに
微々たるものである。 それにこれらの各会社でも同業者に対する遠慮から、そういう....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
満堂の参詣ありという。当国は旧教をもって国教となすにもかかわらず、宗教の勢力実に
微々たり。ただ旧慣によりて堂宇を維持するもののごとし。午後、植物園、動物園を一覧....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
を再び立つことの出来ないほどに蹂躙してしまう。そうする方が、味方の損害は、極めて
微々たる程度に喰い留ることが出来る。戦争を行って、しかも戦後に兵力のうえで依然と....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
だ。そのかみ「切火評論」を書いた私などは、此方角を赤彦の為に示すだけの力のない、
微々たるあげ脚とりに過ぎなかったことを思うと、義理にも、批評のない歌壇を慨嘆する....
「審判」より 著者:カフカフランツ
誰一人ぶつぶつ言おうとする者もいなかった。というのは、弁護士にとっては、――最も
微々たる者でもこういう事情は少なくとも一部分はわかっているのだが――裁判所に何か....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
仏教がチベットに入る前にチベット人の宗教として行われて居ったものである。今もなお
微々ながら行われて居りますが、その教えは一体インドに在る教えに似て居る。というの....
「戯曲復興の兆」より 著者:岸田国士
い演劇運動はほんとに地についていなかった。築地小劇場に外国劇万能の主張をかゝげ、
微々たる創作劇には目もくれぬ風があった。私たちは、新劇協会という貧弱な劇団に拠っ....
「「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
ら、実は粒々辛苦の結果であるのを見ればわかる。 彼の文名は、形の上ではまことに
微々たる小品、スケッチ、コント風の短篇、など、一風変わった「小さなもの」を書くフ....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
いて、中央文化の進展が遅々として僻陬の地にまで普及せず、しかも一方先住民族の勢力
微々として振わず、ために国家社会の問題を惹起することなきに至っては、為政者ももは....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
されたのである。 「君よ、この問いに対しては、吾々は殆ど確答し得ない、のみならず
微々たる太陽系の死骸は、広大無辺の宇宙に介在して、ただ何らの目的もなく、右に往き....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
この様な星が現われたなら、殆ど気が付かずにいる所だろう。たとえ気が付いても、形の
微々たるを見て、何で今まで見えぬ所へ、この様なけちな星が出たかと怪しむに過ぎない....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
って来ていた。それは、広い、はてしのない雪の曠野で、実に、二三匹の蟻にも比すべき
微々たるものであった。 「どっちへでもいい、ええかげんで連れてって呉れよ。」二人....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
を失って終うではないか。従って神楽坂署の聴取書は根本から権威を失って終う。問題は
微々たるようで実は頗る重大なのである。 古我判事は支倉が人を嘗めたような調子で....