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微分子
「微分子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
微分子の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「知と疑い」より 著者:寺田寅彦
かし人知のきわめうる微分は人間にとっては無限大なるものである。一塊の遊星は宇宙の
微分子であると同様に人間はその遊星の一個の上の
微分子である。これは大きさだけの事....
「地は饒なり」より 著者:宮本百合子
れども、却って、偉い人格という、漠然と心に出来ていた型はくずれて、無辺在な光明の
微分子のうちに溶けこんでしまうのを感じたのである。 無辺在な光明……。 ほん....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
計的分布に関係した事がらのみを観察していたならば、そのものの目には、人間は無生の
微分子としか見えないであろう。そうして、その同じ
微分子が、一方で有機的な国家社会....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
において嚢子菌の胞嚢を顕微鏡なしに正しく見得た。こんな異常の精眼力には風中の雪の
微分子ぐらいの運動の態が映ったかも知れず、豕が風を見るというのもまるで笑うべから....
「C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
現われて居るのは、本の上に印刷された理論的な文字ではございません。生きて、光線の
微分子とともに動いて居ります。だから、一寸でもじっとしては居りません。今出たかと....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
第一編 パリーの
微分子
一 小人間
パリーは一つの子供を持ち、森は一つの小鳥を持ってい....
「歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
微な塵埃やまた物理学者がイオンと称えて顕微鏡でも見えぬしかもそれぞれ電気を帯びた
微分子である。滴があまり細かいから空気の摩擦に支えられて容易に地に落ちず空中に浮....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
来る。またはその中へ入って行く。その抽斗が開けられたり閉められたりする時に抽斗の
微分子が諸君の鼻の中を舞い上ったり諸君の咽を舞い下ったりするのである。諸君の銀行....
「触覚の世界」より 著者:高村光太郎
響かなかった。いつでも私の触覚は音楽をきく時の第一関門となるのである。 香とは
微分子なのだそうである。肥くさいのは肥の
微分子が飛びこむのだそうである。道理で私....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
く人心に忘れられていたのだ。 今の世の人心はただ精力を信ずるのみだ。宇宙一切の極
微分子に精力こそ、目視るべからずしてしかも慈恩の行き渡れる者なれば何時の世までも....