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「微少〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

微少の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藤棚の陰から」より 著者:寺田寅彦
いうのである。これが冬期だといったいの水温がずっと低いために悪いガスなどの発生も微少だから害はないであろう。これは想像である。 それにしても同じ有害な環境にお....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
にとっては重大な事件が起こる。それが一つの有機体であるところの身体の全部にたとえ微少でもなんらかの影響のないはずはなさそうである。 それがある病気にどれだけき....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
て、久し振りの好材料でさえあるように見える。法定失業者の多少の減少・法定就職率の微少な増加・等々はおのずから技術家の社会的地位に対する一般的な信任を増す所以にな....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
と保持との契機は、A個体がα個体を産み出した時の、A―αの間の関係の内に、たとい微少な規模に於てであろうと、現われる筈であるし、又A―αの関係と他のB―βの関係....
鉛をかじる虫」より 著者:寺田寅彦
ているようではあるが、しかしそれは食物全体に対して10のマイナス何乗というような微少な量である。この虫のように自分の体重の何倍もある金属を食って、その何十プロセ....
漫画と科学」より 著者:寺田寅彦
響を除去した時に始めて厳密に適用さるべきものである。そしてこれらの第二次的影響の微少なる限り近似的に適用するものである。それでこの種の方則は具体的事象の中から抽....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
商品の売と買とを生ぜしめるこの変化は、この事実自身の性質によって、これらの商品の微少な量の売または買しか生ぜしめないこと、(三)売の影響と買の影響とが互に相殺し....
南国太平記」より 著者:直木三十五
就て、貴公に頼んでおきたいことがある」 出雲守は、女の出した座蒲団を敷いて 「微少ながら、何んなりとも、頼まれ申そう」 「事が、事じゃで、このままで、止むべき....
魔都」より 著者:久生十蘭
の喉から胸へかけた部分に反復されていたのと、とめの右手の爪の間に腕章の金モールの微少片が残っていたためであります。今暁の御検証で松谷鶴子の殺害犯人が警察官である....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
りめぐりて、他の星体に相会する年数は、十万年なるか、はた二十万年を要するか、そは微少なる吾々の智識にては、到底判断することの出来ぬのを憫れと思われよ」 彼は憮....
」より 著者:佐藤垢石
れた。長さ七寸あまり、三十五匁はあろうと思う。 瀞場の鮎は、鈎に掛かった瞬間、微少の衝動を目印に感ずるのが、急流の鮎と異なって、鈎に掛かるや否や、男の足でも追....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
きやすい。マスコミの報道力にしてさえ、その点では、社会の善意をよびおこすことには微少で、むしろ空転作用の方が強いのではあるまいか。 いまさらのようなものだが、....
黒田如水」より 著者:吉川英治
めだった。 山陰には尼子氏の一党が諸所に潜伏して時到るを待っている。その勢力は微少だともいえるが、尼子一族と毛利家との闘争は、実に大永年間、毛利元就が尼子経久....
大岡越前」より 著者:吉川英治
。 彼が、一年中の托鉢に得た浄財は、ほとんど、自分が樹下石上の生活につかう極く微少な費えのほかは、みなこの米問屋へ送っていた。 ――それが十年以上もつづいて....