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微弱
「微弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
微弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「弓町より」より 著者:石川啄木
った。――そのころの詩というものは、誰も知るように、空想と幼稚な音楽と、それから
微弱な宗教的要素(ないしはそれに類した要素)のほかには、因襲的な感情のあるばかり....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
びの波形を持った電波が出るというのである。但しこの電波は、波長が非常に小さい上に
微弱であるために、これを受信し検出することは相当むずかしいことであるために、従来....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ものでは新たにできた遊星の質量は比較的小さいからそれが冷却するために元来たださえ
微弱な光力を速やかに減じ直接には認められなくなってしまう。また物体が小さいために....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
いました。 軈て相手からは、生々とした返事がありました。其のシグナルはまことに
微弱である上に、波長が時々に長くなったり短くなったりして僕の聴神経を悩ませました....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ったく活色を失い、体温は死温に近いほどに低下しているけれども、微かに呼吸を続け、
微弱ながらも心音が打っている。そして、顔だけを除いて、全身を木乃伊のように毛布で....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
するか、そんなことは今ぼくたちには直接必要のない問題だ。それよりも、とにかく短い
微弱《びじゃく》な電波を受信できる機械を三木君の姉さんのそばへ持っていって、録音....
「超人間X号」より 著者:海野十三
。そこで彼は耳を博士の胸におしつけてみた。博士の心臓はたしかに打っている。しかし
微弱《びじゃく》である。 「この人は、気をうしなっているんだよ」 戸山は、結論....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
だったので、自信をもってやった。生憎入っている信号は、息もたえだえといいたいほど
微弱であったが、彼は懸命にそれを捉えた。その
微弱な信号に、死に直面した夥しい生命....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
す。私はそれに対してすぐに心からの憤りを感じます。そしてたとえ自分の力がどれほど
微弱なものであるとしても、その不法に対してブツかって行きたいという衝動を感じます....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
日、静穏なる好天気。船は依然おなじ位置に在り。すべて風は南西より吹く。但し極めて
微弱なり。船長は機嫌を直して、朝食の前に私にむかって昨日の失礼を詫びた。――しか....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
体温は死温に等しくなり、また、脈は血管硬化のために、触れても感じないというほど、
微弱になってしまうのです。 艇長が、その発作を利用して、死を装ったことは、あの....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
それが視覚だと云う事を知っているかね。また、その中でも赤色だけは、発作中でさえも
微弱に残っているのだ。勿論、巫術などでは、巧な扮飾を施して、それを恐ろしい鬼面に....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
まう。 岡本綺堂の史劇というものは、歴史の筋は追うていても、如何にも、それ自体、
微弱感を起させる歴史であった。其代りに、読本作者のした様な、史実或は伝説などの合....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
、曩の煌々たる光はどこへやら、地球の人民のそれと等しく、僅かに大塊の一部分から、
微弱なる光熱を放射するに過ぎぬ、ああ数千億年の昔しより、常に宇宙の一辺に覇たりし....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
遠となり、微妙となり、幽奥となりゆくが、どうかすると世間とかけはなれて迂遠となり
微弱となるような傾向もないではない。これはジェームスのいわゆるテンダーマインデッ....