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微量
「微量〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
微量の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
前の誠実を拾い出すだろう。その誠実を取り逃すな。若しそれが純であるならば、誠実は
微量であっても事足りる。本当をいうと不純な誠実というものはない。又量定さるべき誠....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
めには仕事自体の持つ形式的な優位性などはすっかり抛擲してしまうほうがいい。そして
微量でもいいから自分一個の実力による権威ができあがってきて、つまりは極めて自然に....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
応は明瞭に出て来ない。それかと言って自然死であるとも言うことが出来ない。たとえば
微量の青酸中毒による死の如き、これである。今日の科学はこの程度の鑑別をするだけに....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
るとおりで、ダンネベルグ夫人もやはり砒食人――常日頃神経病の治療剤として、夫人は
微量の砒石を常用していたのだ。そうすると、永い間には、組織の中にまでも、砒石の無....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
推して想像されなくはない。 臓器から製した薬剤の効果がその中に含有するきわめて
微量な金属のためであって、その効果はその薬を焼いて食わせても変わらないらしいとい....
「小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
いる、その表面に小雨でも降っているかのように細かい波紋が現滅していた。 こんな
微量な降灰で空も別に暗いというほどでもないのであるが、しかしいつもの雨ではなくて....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
デンが含有《がんゆう》されているんだ。ここまでいえばもう分ったろう。モリプデンの
微量《びりょう》を鋼《はがね》にまぜると、普通の鋼よりもずっと硬いものが出来るん....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
た油紙を、よく注意して、羽根箒ではき、やっとこれだけの粉を得たのです」 「実に、
微量だなあ。これじゃ、分析もなにもできまい」 「はあ」 帆村は、唇をかんで、頭....
「娯楽論」より 著者:戸坂潤
とであり、他方近代都市生活に於ては、資本制的娯楽そのものの分量さえが大衆にとって
微量に過ぎるということだ。要するに今日の日本の民衆は、正常な意味での(近代的な)....
「鉛をかじる虫」より 著者:寺田寅彦
て摂取するのははなはだ珍しいといわなければなるまい。もっとも、人間にでもきわめて
微量な金属が非常に必要なものであるということは、近頃だんだんに分かりかけて来てい....
「方則について」より 著者:寺田寅彦
学は成立しそうもないのである。 上に述べたペンに働く力はこれに止まらぬ。ペンに
微量の荷電があれば、あるいは自身にはなくても他に荷電体があれば、その感応によって....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の眼が、俄かに瞳孔を動かし恐怖の色を現わしたり――と。ねえ支倉君、浄善は最初に、
微量のクラーリンを塗った矢針で斃されたんだよ。つまり、羚羊と同じに、運動神経が痲....
「扉は語らず」より 著者:小舟勝二
は睡眠時間の限度を超過してしまったのである。 巨大なガラス窓が、倉庫の闇の中へ
微量の光線を供給している。彼はその前へ立って眼下六十呎の世界を俯瞰した。此の都会....
「ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
思って。」 「随分、精巧なのね。」 皮膚の感じ、体温、その素晴らしい機能、その
微量の電気による魅惑的な刺激、それは、機械によって、感じる――機械によってのみ感....
「私の見た大学」より 著者:戸坂潤
とはどうも不得手である。之が話しをややこしくする原因だろう。私の考え方にはいつも
微量のフィロロギー(文献学)とカテゴリー論とがある。だから知性と言わずに知能とか....