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徳本
「徳本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
徳本の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
《ちぢ》まって奥飛騨の称ある、飛騨|吉城《よしき》郡と隣り合ったところで、南には
徳本《とくごう》峠――松本から島々《しましま》の谷へ出て、この峠へ上ると、日本ア....
「上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
アルプスの大山系にはいくらもある、槍ヶ岳にしたところで、もし上高地温泉がなくて、
徳本《とくごう》峠から蝶ヶ岳、赤沢岳と迂廻して、この山に登るのであったら、到底今....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
雪が一杯詰っていて通れずやむなく引返した。 二十五日 快晴 七・〇〇発 〇・〇〇
徳本峠 二・三〇岩魚止 七・二〇島々 昨日の雨で岳川谷の下半部は真青になってい....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
。 広河内の土地のありさまは、中央日本アルプスの聖境、上高地の中、島々方面から
徳本峠を下り切った地点に、よく似ている。大沢が、濶く、峡間に延びて、峡流の分岐し....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
穂高岳より槍ヶ岳まで岩壁伝いの日誌(明治四十四年七月) 二十日 松本市より島々まで馬車、島々谷を溯り、
徳本峠を踰え、上高地温泉に一泊。 二十一日 穂高岳を北口より登り、穂高岳と岳川岳....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
からぬ。しかしこれから法螺抜きでやる。 件《くだん》のアントニウス尊者は紀州の
徳本《とくほん》上人同様、不文の農家の出身で苦行専念でやり当てた異常の人物だ。そ....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
に粒の細かい水気のない雪だ。理想的のブルツファシュネーだと感じながら、吹雪の中を
徳本に向かった。すっかり用意をして吹雪の中を歩くのは、気持ちのいいものでかつ痛快....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ね。左様でございます、穂高の初雪は九月のうちに参りますよ。八月の末になりますと、
徳本峠《とくごうとうげ》の頂あたりが真赤になって、九月の上旬になりますと、神河内....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
……というところにばかに調子を振込んで道庵が力《りき》み返り、 「中古ニ隠士|
徳本《とくほん》ナルモノアリ、甲斐ノ人也――」 そこで案《つくえ》を一つ打っ....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
ないのである。したがつて今から日本のトーキーがつまらないといつて騒ぐのはあたかも
徳本峠を越さない先から上高地の風景をとやかくいうようなものである。 しかしとも....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
生活社の展覧会の油絵を数十枚画いた。其の頃上高地に行く人は皆島々から岩魚止を経て
徳本峠を越えたもので、かなりの道のりであった。その夏同宿には窪田空穂氏や、茨木猪....
「親鸞」より 著者:三木清
勧化によりて、ひさしく万行諸善の仮門をいでて、ながく双樹林下の往生をはなる。善本
徳本の真門に廻入して、ひとへに難思往生の心をおこしき。しかるに今ことに方便の真門....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
、六千尺の一帯の山脈である。この峠に立ったなら、白峰は指呼の間に見えよう、信州|
徳本峠から穂高山を見るように、目睫の間にその鮮かな姿に接することが出来ないまでも....